【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1216話 聞き捨てならない

公開日時: 2023年11月26日(日) 12:08
文字数:1,875

 俺は雪月花の三姉妹から、事情を聞き出した。

 途中で『くやしく説明』事件が発生したものの、大きな問題はない。


「――というわけなのよ」


「ふむ。神宮寺家がそれほどの名家だったとはな……」


 俺の脳内で、月たちのプロフィールが更新された。

 彼女たちは良いところのお嬢様だったらしい。


「事情は分かった。ざっくりとだけどな」


「……分かってもらえてよかったわ」


 俺の反応を見て、月が安堵した表情を浮かべる。

 だが、ここで終わらないのが俺だ。

 俺は畳みかけるように問いかける。


「それで? どうして逃亡先にサザリアナ王国を選んだんだ? 確かに、地理的には第一候補になるだろうが……。その他にも、たくさん候補はあったはずだ」


「この世で最も愚かな質問の1つね、ハイブリッジ男爵。サザリアナ王国は平和だし、王侯貴族から平民に至るまで善良な者が多いわ。未熟だった私たちが力を付けるのに、最適な場所だと判断したのよ、もちろん、地理的な要素も大きいけどね」


 俺の質問をバッサリ切り捨てる月。

 彼女は続けて言った。


「それに……。私たち3人なら、どこでもやっていけるわ!」


「そ、そうか。それは頼もしいな」


 月の謎の自信に押されつつも、俺は素直に感心する。

 確かに彼女の言う通りだ。

 Cランクパーティ『雪月花』の実力は高い。

 もちろんかつては未熟な点もあっただろう。

 だが、三姉妹ならではの連携力や信頼関係は、彼女たちが強くなるのに一役買ったに違いない。


「まだ説明しきれていないこともあるけど、また後にしましょう。それより……」


「それより?」


「今はそっちの件よ。あなたは、どうしてヤマト連邦に向かおうと思ったの?」


 月が俺を見て言う。

 Cランクパーティの彼女たちだが、さすがにそこまでの情報収集能力はなかったようだな。


「ふむ……。正直に言おうか」


 俺の目的と言えば、1つしかない。

 いや、正確に言えば副次的な目的はたくさんあるが……。

 大元の行動原理は1つである。

 彼女たちは信頼しても良い相手だ。

 俺は包み隠さず話すことにした。


「女さ!! 女性さえいれば、俺は幸せだからな! ネルエラ陛下からの指令を達成して、俺は全てを手に入れる! でかい胸! 小さい胸! いいお尻! 美しい太もも! くびれ! 全てが俺のものだ!!!」


 俺は熱く語る。

 今、俺の妻は8人いる。

 また、妻ではないが関係を持っている者も10人を超えた。


 俺の周りには魅力的な女性が多すぎる。

 ただ1人の女性を選べというのは、とてもじゃないが無理な話だ。

 みんなと幸せになっていくためにも、ヤマト連邦への潜入作戦を成功させたい。

 そうすれば、ネルエラ陛下からの評価もうなぎのぼり。

 さらなる陞爵や褒美が待っているだろう。


「また、そんなことを恥ずかしげもなく……。品性に欠けるわね、ハイブリッジ男爵」


 月はあきれた様子で俺を見る。

 ……今、聞き捨てならないことを言われたな。

 これで三度目だ。

 温厚で女好きの俺でも、こればかりは許容できない。


「月、三度目だぞ。そこの布団に寝転んでもらおうか」


「はい?」


 俺は興奮を顔に出す。

 月が動揺した隙に、彼女を布団の上へ寝かせた。


「ちょ、ちょっと! 何をするつもりよ!?」


「決まってるだろ。高貴な神宮寺家とかの血筋を増やしてやるのさ」


 俺はそう言い、月の服に手を伸ばす。

 彼女は抵抗したが、俺は構わず脱がせていく。


「い、いやっ! 花と雪が見ているのに……! やめなさい、ハイブリッジ男爵!!」


「だから言ってるだろ。俺のことは『旦那様』と呼んでくれって」


 俺は月の服を脱がしながら言う。

 月がジタバタと暴れるので、脱がすのに手間がかかった。


「『旦那様』なんて呼べるわけないでしょう!!」


「何でだ?」


「何でって……。もう、いい加減にやめなさい!」


 月が右手で俺の左手をつかみ、布団に押しつける。

 彼女はひじを使って俺を押しのけようとするが、その程度では俺は止まらない。


「まぁいいさ。素晴らしい時を共に過ごせば、自然と呼び方も変わるだろう。……覚悟しろよ?」


「ひっ……」


 俺は月の耳元でそう囁く。

 そして、ゆっくりと覆いかぶさった。


「……ねぇ、雪ちゃん~」


「……なに? 花姉ぇ……」


 花と雪が静かに話し合っている。


「止める~?」


「……無駄だと思う。ほら、月姉ぇも満更じゃなさそうだし……」


「……だよね~。じゃ、ここは観察させてもらおうかな~……。――わっ! す、すごい。あれがあんな風になるなんて……」


 2人が静観を決め込んだようだ。

 彼女たちとは、まだ深い仲になっていないんだよな。

 雪とは尻に関するアレだけだし、花とはせいぜい体を密着させたぐらいか……。

 俺はそんなことを考えつつ、月と仲を深めていったのだった。

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