【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

812話 花と雪への加護(小)付与

公開日時: 2022年10月15日(土) 12:03
文字数:2,441

 ミティが声を上げた。


「どうした?」


「私はタカシ様のことを世界で一番大切に思っています」


「お、おお……。ありがとう。俺もミティのことは大切に思っているぞ」


 改めて言われると照れるな。

 通常の加護を付与するためには、非常に高い忠義度が必要となる。

 それを付与してミリオンズに加入している時点で、彼女たちから俺への愛や尊敬といった感情はとても大きいということになる。

 だが、やはり面と向かって言葉にされると嬉しいものだ。


「ありがとうございます! それでですね……。私は、タカシ様のなさることを否定はしません。ですが、説明していただかないと納得できないこともあります」


「ん? 何の話だ?」


「ですから! タカシ様の両隣に座っている女性たちについてですよ!」


 ミティが言う通り、俺の隣には女性が座っている。

 ミリオンズのメンバーではない。


「……え~と、彼女たちはCランクパーティ雪月花の……」


「それは知っています! ですが、明らかに以前とは距離感が違いますよね?」


「「「…………」」」


 ミティを含め、ミリオンズ全員がジト目で俺を見つめている。


「タカシさん~。大好き~」


「……男爵さんの隣は安心する……」


 俺の両隣の少女――花と雪が、空気を読まずに俺にしなだれかかってきた。


「ほらっ! ほらぁ!!」


「えーっと、これはだな……。深い事情があって……」


「いえ! 言い訳は不要です! タカシ様ほどの方であれば、まだまだ女性は増えることぐらい理解していますから! ですが、事前でも事後でも、一言ぐらいは報告が欲しかったのです!!」


 ミティが叫ぶ。

 彼女の言葉に、他のメンバーたちもうんうんと同意するかのように大きく首を縦に振っていた。

 確かにそうだな。


 ミリオンズの面々には、俺の力を話している。

 『俺と一定以上に仲良くなった者を強化できる。特に若い女性は条件を満たしやすい』という主旨の説明だ。

 浮気や女遊び、あるいは新たな妻を迎えていく了承は得られていたのだが、さすがに一言ぐらいは相談すべきだったか。


「は、はい。ごめんなさい……」


 俺は素直に謝る。


「分かっていただければいいのです。私はタカシ様のことを第一に考えていますので、言ってくだされば手伝えることもありますし」


「よ、よろしくお願いします」


 何とかこの場は収まりそうだ。

 ミティを始め、ガチで怒っている人はいないらしい。

 コソコソせず、最初から堂々としていれば良かったのだ。


「うふふ~。花ちゃんも少しぐらい頑張っちゃうよ~。タカシさんのためだもんね~」


「……うん。ボクもまだまだ上を目指すよ。何だか体の調子が良いし……」


 花と雪がそう言う。

 彼女たちの忠義度は、ルクアージュで最初に会った頃から少しずつ上がっていた。

 そして先日の夜営を通して、とうとう加護(小)の条件を満たした。


 体の調子が良いのは、加護(小)の恩恵を感じているからだろう。

 ここで彼女たちの簡易ステータスを確認しておく。



レベル?、神宮寺花

種族:ヒューマン

身分:神宮寺家長女

役割:ハイブリッジ男爵家御用達冒険者

職業:植物魔法使い

ランク:C


HP:高め

MP:??

腕力:??

脚力:??

体力:低め

器用:??

魔力:??


残りスキルポイント:???

スキル:

剣術レベル4(3+1)

植物魔法レベル4(3+1)

栽培術レベル2

??



レベル?、神宮寺雪

種族:ヒューマン

身分:神宮寺家三女

役割:ハイブリッジ男爵家御用達冒険者

職業:武闘家

ランク:C


HP:低め

MP:??

腕力:高め

脚力:??

体力:??

器用:??

魔力:??


残りスキルポイント:???

スキル:

格闘術レベル4(3+1)

闘気術レベル3

水魔法レベル4(3+1)

??



(名前が漢字なのは、蓮華以来だよな……。彼女たちもヤマト連邦の出身なのか?)


 彼女たちのパーティ名は”雪月花”。

 個人名は、ユキ、ツキ、ハナだ。

 そして少し前に、それぞれの本来の表記方法が漢字であることを教えてもらった。

 雪、月、花である。

 さらに今回、ステータス画面上もそうなっていることを確認した形だ。


(元々Cランク冒険者だったこともあって、スキルレベルは結構高めだな……)


 加護(小)の恩恵によってスキルレベルは少し上がったことになるし、今後ますますの活躍が見込めるだろう。

 少しだけ気になるのは――


「月。そんなに隅っこに座ってないでこっちに来ないか?」


「私は結構よ! ……まったくもう! 本当に手が早いんだから。花はともかく、雪にまで手を出すなんて……」


 月は俺の隣に座らず、部屋の片隅で膝を抱えていた。


「まぁそう言うなよ。俺は月とも仲を深めたいと思っているんだぜ?」


 雪月花に対して、俺はそれぞれチャンスを伺っていた。

 花は以前から俺にアプローチしていたし、近い内にそういうことになるだろうという雰囲気はあった。

 しかし一方で、雪とは距離を測りかねていた。

 半ば事故とはいえ、例の件で急速に距離を詰めることができたのは僥倖だ。

 月にとっては、寝耳に水といったところか。


「ふんっ! 私はそんなに安い女じゃないわ!」


 月がツンとした態度で言う。

 雪月花の中では、彼女だけが加護(小)の条件を満たしていない。

 加護(微)はとっくの昔に満たし済みだし、もう一息ではあるんだけどな。


 まぁいいさ。

 ミリオンズの面々とは仲を維持しているし、レインは新たにミリオンズに加入したし、花と雪という有力候補もいる。

 俺のハーレムライフは順調だ。

 王都でやり残したこと――蓮華との鍛錬に、騎士団への挨拶。

 それらを済ませて、ラーグの街に戻ることにしよう。




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