【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1247話 水中行動系スキル

公開日時: 2023年12月28日(木) 12:22
文字数:1,699

 俺はスキルポイントの使い道を考えている。

 以前より保留していた15ポイント、クラーケンのミッション報酬の20ポイント、そしてレベルアップによる20ポイント。

 合計で55ポイントもある。


「やはり、ヤマト連邦向けのスキルは上陸後に決定するべきか……。とはいえ、全てのスキルポイントを温存するのもやり過ぎだな。上陸時にはまた別のミッションが達成となって、ポイントが20入ってくる予定だし……」


 俺は思考を続ける。


ミッション

ヤマト連邦を訪れよう。

報酬:スキルポイント20


 このミッションは、ヤマト連邦に上陸した際には確実に達成扱いとなっているはずだ。

 つまり、現時点で保有しているスキルポイント55と合わせ、俺はヤマト連邦の任務に向けて75ポイント分の強化をすることができる。


 ただ、ヤマト連邦の件とは別に、今まさに差し迫っている問題がある。

 それは、人魚の里の件である。

 里の近くでジャイアントクラーケンと激闘を繰り広げた俺は、人魚族に警戒されて拘束されているのだ。

 これをどうにかする必要がある。

 初日に絡んできた不良集団『海神の怒り』は大したことなかったので、戦闘面において全力で警戒するほどではないが……。


(ネックなのは、ここが海底であることか……)


 この『海神の大洞窟』は大地から空気が漏れ出ていて、地上のような環境となっている。

 また、俺には人魚メルティーネの加護があり、水中でも最低限の呼吸はできる。

 そのため、海底であってもそれ自体が即座に危険なわけではない。


 ただ、海底から海上に戻る難易度は高い。

 俺1人でここ『海神の大洞窟』を脱出しても、途中で追手に追いつかれたり、海の魔物に襲われるリスクがある。

 メルティーネ1人に手伝ってもらっても似たようなもの。

 複数の人魚族に協力してもらわないと、海上への帰還は難しいだろう。

 一昨日に与えられた新たなミッション『10人以上の人魚族に加護(微)を付与せよ』の件もあるし、ここはしっかりと人魚族に向き合うべきだな。


「人魚の里で発生している小さな困りごとを解決していけば、加護(微)ぐらいはいけるか……? いや、その前にこの拘束から解放してもらうのが先だな。どうにか、俺が人魚族に敵意を持っていないことを示して……。あとは、『海神の怒り』のリベンジも警戒するか……」


 俺は腕を組む。

 なかなか難題である。


「……よし。今はとりあえず、水中行動系のスキルを強化しよう。何があったかな……」


 俺はスキル一覧を表示させる。

 水中行動系のスキルは、これまであまり注目してこなかった。

 なぜならば、取得しても恩恵が少ないからである。


 冒険者は基本的に陸上で活動し、水中で戦わなければならないことはあまり多くない。

 もちろん海や川で魔物と戦うこともあるので、水中行動系のスキルも全くの無意味ではないのだが……。

 優先度は低いと言わざるを得なかった。

 しかし今の状況を考えれば、水中行動系スキルを取得しておいてもいいだろう。


「ええっと……。『水泳術』『波乗り術』『水中機動術』『潜水術』『肺活量強化』『銛(もり)術』『水流把握術』『水圧適応術』『操魚術』あたりか……。全てを取得したいが、もちろんスキルポイントが足りない。それに、そこまでするほどでもないな……」


 水中行動系のスキルが活きる状況は限定的だ。

 直近では役立つが、長い目で見るとあまり有用ではない。

 ここでの活動において、特に重要そうなスキルに絞って2~3つぐらい取得するのが良さそうか。


「まず、『水泳術』は無難そうだな……。取得しておいて損はないか……」


 泳ぐのが上手くなれば、海中で人魚族のチンピラに襲われたときでも戦いやすくなる。

 また、海底から海上へ向かう際にも有用だろう。


「『波乗り術』は不要だな。ここは深海だから、波は起きないし……」


 俺は候補を絞り込んでいく。

 波乗りが上手くなれば、ビーチでギャルからモテモテになるかもしれない。

 オルフェスやルクアージュにはビーチがあったので、ゆくゆくは取得してもいいだろう。

 しかし、今は不要だ。

 非常に惜しいが、サーフィンで黄色い歓声を浴びるのはしばらく先のことになる。


 こうして俺は、取得候補のスキルを絞っていくのだった。

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート