【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1465話 絶体絶命のピンチ

公開日時: 2024年8月4日(日) 12:03
文字数:1,252

「……ん?」


 俺はふと目を覚ます。

 どうやら、眠ってしまっていたようだ。


「しまったな……」


 ここは敵地のど真ん中だ。

 いや、まだ戦闘などにはなっていないので、敵地という言い方は適切ではないかもしれないが……。

 ミッションに従って俺はここを攻め落とすつもりだし、将来的には敵地となる場所だ。

 もっと気を引き締めるべきだった。

 さっさと撤収する必要がある。


「えっ……?」


 俺はふんどしから頭を上げようとした。

 だが、頭が動かない。


「なんだ……!?」


 俺は必死に身体を動かそうとするが、まるで金縛りにあったように身体が動かない。

 これは一体どういうことだ!?


「ま、まさか……。本能が俺をここに押し留めているのか!?」


 俺は戦慄する。

 生物には、子孫を残そうとする本能がある。

 それは人間も例外ではない。

 そして、俺の周囲にあるふんどしは美少女たちの衣類だ。

 フェロモンたっぷりのふんどしに、俺の本能が引き寄せられて……。


「くっ……! まずい!!」


 俺は冷や汗をかく。

 このままでは……このかごの中で餓死してしまう!!

 これらのふんどしには、それほどの魅力がある!!


「そんな死に方も悪くは……いや、ダメだ!」


 俺は必死にふんどしから抜け出そうとする。

 だが、やはり身体は動かない。


「くっ……! こうなったら……」


 俺は空間魔法の『アイテムボックス』を開く。

 そして、周囲にあるふんどしを次々と収納していった。


「ふぅ……。絶体絶命のピンチだった。これでひと安心だな」


 ふんどしを全て回収した俺は、ほっと胸を撫で下ろす。

 素敵なふんどしがたくさん手に入った。

 あとでたっぷりと楽しませてもらおう。

 心の余裕ができたおかげで、金縛りからも解放された。

 そろそろ桜花城からも撤収する頃合いかもしれない。


「おっと、その前に……」


 俺は『インビジブル・インスペクション』を再使用する。

 これを使っておかないと、侍や女中に見つかってしまうかもしれないからな。


「これでよし。……ん?」


 かごから半分ほど体を出した俺だが、人の気配を感じてもう一度中に入った。

 誰かが部屋に入ってくる!


「でさー、その侍がまたうざくてさー」

「わかるー。私もこの前、居残りの仕事を押し付けられちゃって……」

「あ、私もそれやられました! ほんと、下級武士のくせに偉そうで……」

「だよねー。あ、でも……。影春様はお優しいよ?」

「そうそう! 増税で苦しんでいる人もいるらしいけど、私たちには臨時金を与えてくれるし!」

「変な侍と違って、色目も使わないしね!」


 かごの外から、数人の女の子の声が聞こえてくる。

 声から察するに……おそらく若い女中だろう。

 しかも、藩主である影春に接する機会もあるらしい。


(おおっ! みんな美少女だな……!!)


 俺はかごの中から少しだけ顔を出す。

 すると、部屋の中に数人の少女が立っているのが見えた。

 年齢は10代半ばから後半といったところか。

 みんな可愛い……!


(会話を聞かせてもらうことにしよう。侍たちとはまた違った方向性の話が聞けるかもしれない)


 俺はかごの中で息を潜める。

 そして、少女たちの話に耳を傾けるのだった。

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