【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1672話 神秘的な少女

公開日時: 2025年2月28日(金) 12:10
文字数:1,027

「高志様っ!? 一体、これは!?」


「くっ……。この力は……」


 呻きながら、俺は状況を分析する。

 だが、何かがおかしい。

 ただの魔力封じでも、物理的な拘束でもない。

 体の奥深く――まるで魂の根幹にまで干渉されているような感覚だ。


 これは……一体、何系統の力だ?


 物理的な干渉か?

 それとも、闘気や魔力、聖気、妖気の類か?

 どれにも当てはまるようで、どれとも違う。

 俺の知識の範疇を超えている。


「舐めるなよ……! 俺がその気になれば、この程度……!!」


 この世界には、様々な力が存在する。

 それぞれが独立した法則を持ちつつも、互いに影響を及ぼし合う。

 たとえこの術の正体が不明でも、俺のチート級の力の前では大したことはない。

 身体能力を限界まで引き上げ、闘気・魔力・聖気・妖気を全開放すれば、この程度の拘束など吹き飛ばせる。

 そう確信して、力を込めようとした――だが。


「うっ……!? た、高志様……」


 隣で紅葉が苦しげにうめいた。


「紅葉! くそっ……!!」


 最悪だ。

 紅葉と同時にこの術の影響下にあるのが、最大の問題だった。

 俺が力任せに突破すれば、何らかの形で彼女を巻き込む可能性がある。


 陣を経由して俺の魔力が彼女に逆流するかもしれない。

 あるいは、拘束そのものを強引に破壊した瞬間に予想外の爆発が起き、紅葉を傷つけるかもしれない。

 それだけは――絶対に避けなければならない。


「高志様! 私のことは構いません! 早く、この術を……!」


「……っ!」


 俺は歯嚙みする。

 そんなわけにはいかないだろう。

 つい先ほど、俺は彼女と”永遠の絆”を誓ったばかりだ。

 彼女を傷つけてまで生き延びる道など、俺には選べない。

 だが、どうやってこの状況を打開する?


 焦るな――冷静になれ。


 一つでも突破口があればいい。

 しかし、術式の解析には時間がかかる。

 拘束の感触からして、これは単なる足止めではなく、対象を完全に制圧するための術。

 中途半端に力を込めれば、相手の術者が意図した罠に深入りしてしまう可能性が高い。

 だが、あまり悠長に考えている時間もない。

 俺がそんなことを考えているときだった。


『蒼き月輪の導きよ、光となりて闇を祓え――』


 突如、周囲に響く透き通った声。

 まるで夜の帳に降り注ぐ星のように、どこか神秘的で、しかし冷徹な響きを持つ声だった。


 直後、俺の目の前に少女が姿を現す。

 その場の空気が一瞬で変わる。

 静寂が満ち、肌に触れる空気すら違って感じられた。

 青白い輝きに包まれた少女――その身に纏う神秘的な衣が、ただの人間ではないことを告げていた。

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