サーニャちゃんに性的な知識を一通り教え込んだ。
彼女は、俺の胸の中で考えをまとめたいと言う。
「どうされましたかにゃ?」
「あー……。そうですね……。では、このままもう少しだけ……」
結局、俺は彼女の提案を受け入れた。
何も、抱き締めたからといって最後まで手を出す必要性が生じるわけでもない。
これはハグだ。
ただの友愛を示すだけの行為である。
サーニャちゃんの体温を感じつつ、彼女の香りを楽しむ。
それだけで十分満足できる。
「んっ……」
サーニャちゃんが俺の胸に顔を埋める。
「ふぅ……」
サーニャちゃんが吐息を漏らした。
「お客様……。少し、匂いを嗅いでもいいですにゃ?」
「ええ、どうぞ」
「ありがとうございますにゃ」
サーニャちゃんが俺の胸元で深呼吸をする。
俺の匂いを堪能しているようだ。
「んっ……! やっぱり、すごく良い匂いがしますにゃ。それに、なんだか安心するような感じが……」
「そうなんですか? 自分じゃよく分かりませんが……」
「はいですにゃ。何の香水を付けているのですにゃ? すごく落ち着きますにゃ……」
「すみません。特に付けていないんですよ。むしろ臭くありませんか? ダダダ団と戦った時に、汗をかいたので……」
俺はそう言って自分の脇や首筋あたりをくんくんと匂ってみる。
自分ではよく分からなかった。
「全然大丈夫ですにゃ! というより、すごく好きな匂いですにゃ!!」
「そうですか? それはよかった……」
本当に不思議な子だな。
普通、女の子はこういう臭いのは嫌がるものだと思うのだが……。
サーニャちゃんは、俺の匂いがとても気に入ったらしい。
「にゃぁ……? お客様のこれ、どんどん硬くなっていますにゃ」
「ええ、そうですね……」
サーニャちゃんが俺の股間へと視線を向ける。
「どうして大きくなっているのでしょうにゃ? にゃぁのせいですかにゃ?」
「ええ、そうですよ。さっちゃんさんが可愛いせいです」
「そ、そんなぁ……」
サーニャちゃんの顔が真っ赤に染まる。
「でも、不思議ですにゃ。にゃぁ、お客様のそこが大きくなっていく理由が知りたくなってしまいましたにゃ。この硬いものがどういう意味を持っているのか……」
「えっ!?」
サーニャちゃんの言葉に驚きの声を上げたのは、他ならぬ俺自身だった。
俺は内心で冷や汗を流す。
いくらなんでも早すぎるだろうと思ったからだ。
しかし……。
体の成長というのは個人差がある。
パッと見で『まだ膨らみかけ』と思っていたのに、実際には大人だったということもあり得る。
「ふ、ふふふ……」
「どうしましたにゃ? 何だか怖いですにゃ……」
「スイッチが入りました! うおおおおぉっ!! 俺は我慢するのを止めるぞおぉっ!!!」
「にゃぁ!?」
サーニャちゃんがビクッとする。
「ちょっ!? お客様!? 何をするのですにゃ!?」
俺はサーニャちゃんの服に手をかけ、強引に脱がそうとする。
足首を掴み、強制的に脚を開かせたところで――
「たっちゃん、さすがにやり過ぎだって。――【パラライズ】」
「あばばばばっ!?」
モニカの雷魔法によって麻痺させられた。
いつもよりも効きが強い。
自分の魔力を開放していれば、それが抵抗力となって他者による魔法のダメージや効果を減衰させることができる。
しかし、今の俺は潜入中なので目立たないために魔力量を抑えているのだ。
モニカの麻痺魔法は効果バツグンである。
「兄さんは本当に……本当に本当に、女好きですね」
「にゃにゃ……。少しびっくりしましたにゃ。嫌ではなかったですけどにゃ……」
ニムとサーニャちゃんがそう呟く。
いかんな。
いくら興奮したからといって、出会って2日目の少女に対して強引すぎた。
反省せねば……。
「たっちゃんのことは放っておいて……。さっちゃん、私たちとブラジャーを買いにいこっか?」
「にゃ? で、でも、お客様を見守らないと……。容態が急変したり、ダダダ団が来たりするかも……」
モニカから誘いを受けるサーニャちゃん。
だが、躊躇う態度を見せる。
「だいじょうぶですよ。兄さんは、自分のことは自分でできます。ですよね?」
「ん? まぁそうだな。3人でゆっくり買い物してくるといい」
ニムの問いに、俺はそう答える。
サーニャちゃんは躊躇う様子を見せていたが、最終的には押し切られて連れて行かれてしまったのだった。
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