隠密小型船の積載量がオーバーしている疑惑が持ち上がった。
俺はアイリスを追及し、幽霊のゆーちゃんがいることが発覚した。
確かに当初の予定にない人員であり、積載量オーバーの一因であることは間違いない。
しかし、幽霊である彼女の体重は軽い。
積載量オーバーの主要因は他にあるだろう。
次に俺は、ユナとリーゼロッテに目を向ける。
「で、詳しい話を聞かせてくれるか?」
「ふふん。なによ、私たちを疑っているの?」
ユナが挑発的な態度をとってくる。
さっきまでは少し動揺気味の態度だったのだが、いつの間にか強気な彼女に戻っている。
「そういうわけじゃないが……」
「私たちは無実よ。自分の潔白は、自分で証明するわ!」
「右に同じですわね。あまり、わたくしは何も知りませんとも。ええ」
ユナとリーゼロッテがそう言う。
見るからに怪しい。
俺は彼女たちの目や体をしっかりと観察する。
そして、リーゼロッテの体に違和感を覚えた点。
「リーゼ、ちょっといいか?」
「え? な、なんですの?」
俺はリーゼロッテの肩をつかみ、軽く肩を叩く。
そして、リーゼロッテのお尻を触ってみる。
「あぅっ! な、何をしますのっ!?」
「ふむ……」
俺はリーゼロッテから離れる。
彼女は顔を真っ赤にしていた。
普段からやることはやっているのだが、みんなの前でこうされるのは恥ずかしかったらしい。
特に今は、潜水中につきスペースが狭くなっているからな。
船倉を除けばここが唯一の部屋であり、乗組員11人が集結している。
みんなの注目が集まっており、羞恥を感じるのも仕方ない。
「リーゼ、すまないがもう一度触れてもいいか?」
「え、えぇ……。それは構いませんが……」
「では失礼して」
俺はリーゼロッテの後ろに回り込み、彼女の背中やお尻を触る。
実にいい感触だ。
ミリオンズの中でも、肉付きの良さで言えば彼女はトップクラスである。
ミティは、小柄ながらも実はマッスル。
アイリスは、引き締まった筋肉質ボディ。
モニカは、モデル体型。
ニムとマリアは、まだまだ発展途上。
ユナはスレンダーで、サリエは少し華奢。
レインは……良い意味でごく普通の体型といったところか。
リーゼロッテが最もむっちりしている。
「て、手つきがいやらしいですわ。セクハラですの?」
「いや、ちょっと……」
リーゼロッテが顔を真っ赤にしながら抗議してくる。
俺は言い訳をしようとしたところ、違和感の正体に気づいた。
「リーゼ……お前……」
「な、なんですの?」
俺は彼女のお尻を軽く揉みながら聞く。
「太ったな」
俺の言葉に、リーゼロッテが凍り付いた。
「な……ななな!? デリカシーがないにもほどがありますわ!!」
「いや、待ってくれ! 太ったといっても、いい意味での話だ!!」
「ど、どういうことですの?」
俺の発言に、リーゼロッテが首を傾げる。
俺は説明を続ける。
「いいか? 俺は女体が大好きだ。成熟した女性の魅力的な体、膨らみかけの未成熟な体、栄養過多で丸みをおびた体。いずれも大好きだ」
「い、いきなり何を言っているんですの!? あなたは!?」
俺が何を言っているのか理解できないといった様子のリーゼロッテ。
他の面々からの視線も、どこか生暖かいものになっている気がする。
俺は構わず、言葉を続けた。
「みんな違ってみんないい。体も性格も、女性の魅力は十人十色だ。俺は100通りの女体を愛する自信がある」
「変態ですわ……」
「ふふん。それがタカシなのよ」
リーゼロッテとユナが口々に呟く。
他のみんなも苦笑している。
「しかし、これでリーゼが隠していたことが分かったな」
「はい?」
「体重の超過を気にしていたんだろう? オルフェスでの試運転の後にドカ食いでもしたか?」
潜水深度のメーターを調整する際には、実際に物資を積み込んだ上でミリオンズ11人が乗り込んでいた。
その時より積載量がオーバーしているとなると、原因の候補は3つある。
追加物資をこっそり持ち込んだか、追加人員を密かに招き入れたか、あるいは本人が一気に太ったか……だ。
「なっ!? そ、そんなことありませんわ! わたくしは――もがっ!?」
「ふふん。実はそうなのよ。私も付き合うはめになったわ」
リーゼロッテが抗議しようとしたが、ユナに口をふさがれて言葉が途中で止まる。
ユナもドカ食いしたのか?
彼女はいつも通りのスレンダーで、ムチッとしたリーゼロッテとは対照的だ。
「太った? ユナもか?」
「ええ。見て分からないかしら?」
「うーん……。服の上からじゃよく分からんな」
俺はユナのお腹やお尻を見る。
しかし、服の上からだとよく分からない。
「それなら……」
ふぁさ……。
ユナがいきなり服を脱いで下着姿になった。
俺は思わず唾を飲み込む。
「いつ見てもいいものだな……。しかし、俺の前でそんな格好をするとは……覚悟はできているのか?」
「ふふん。どうせ、潜水中は何もやることがないからね。この場にいるのは気心知れたメンバーばかり。問題はないでしょう?」
「それもそうだな」
俺はユナに近づくと、彼女の胸に手を伸ばす。
リーゼロッテも引き寄せて、さらには他の面々も……。
こうして、潜水中の限られたスペースで俺は大いに楽しんだ。
……はて?
何かの追及中だった気もするが……。
気のせいだろうか?
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