【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

634話 合同結婚式 誓いのキス

公開日時: 2022年4月18日(月) 12:25
文字数:2,626

 合同結婚式が開催されている。

 ニム、ユナ、マリア、サリエ、リーゼロッテ。

 5人の花嫁が勢揃いした姿はとても華やかだ。

 そして、会場内は改めて感嘆の声に包まれていた。


「ニム様、凛々しいお顔です……」


「あの赤狼族が表舞台に出てきたか……」


「ハガ王国との友好はいよいよ確立されたな」


「重病者が出たら、サリエ殿に依頼することもあるやもしれん。後で挨拶しておかなければ」


「ラスターレイン伯爵家はさすがに目ざとい。これほど優秀な新貴族に目を付けられるとは」


 客たちの反応は概ね良好のようだ。

 俺は5人の方を向く。


「みんな、ありがとう。こんなに魅力的なみんなと結婚できるなんて夢みたいだ」


 俺の言葉を受け、それぞれが頬を染め照れるような仕草を見せる。

 本当に可愛い子たちだ。


「これにて花嫁様がお揃いになられました! それでは、誓いの儀式を執り行わせていただきます!」


 司式者が宣言すると、会場内に緊張が走った。

 これから愛の誓約が行われる。


「新郎タカシ。あなたはここにいるニムを、病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、妻として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」


「誓います」


「新婦ニム。あなたはここにいるタカシを、病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、妻として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」


「ち、誓います!」


 ニムが元気よく返事をする。

 続けて、ユナ、マリア、サリエ、リーゼロッテとも愛を誓い合った。

 俺たちの言葉を受けて、神父が満足げにうなずく。


「よろしい。それでは誓いの口づけを」


 神父の言葉を受け、俺はまずニムに向き直る。


「ニム。愛しているぞ。1人の大人の女性としてな。これからも頼りにしている」


「は、はい。何でも任せてください!」


 俺はそっと彼女に唇を重ねる。

 柔らかくて甘い香りがする。


「んっ……んん……」


 彼女の吐息が漏れる。

 その声を聞いて、会場内にどよめきが巻き起こった。


「おお……。まさか……あれほど小さな子が……」


「あんなに大人びた表情になるのか……」


 そんな声を聞きつつ、俺は口を離す。

 ニムは余韻に浸っているのか、惚けた表情をしているが、すぐにハッとなり恥ずかしそうに俯いている。

 俺も余韻に浸りたいところだが、これは合同結婚式。

 次の予定がある。

 ニムとキスした直後にまた別の女性とキスすることになるが、こればかりは仕方ない。


「ユナ。強気な君も、素直な君も好きだ。これからもずっと一緒にいてくれないか?」


「ふふん。悪くない言葉ね。答えはもちろん……」


 ユナの唇が近付いてくる。

 そして、チュッと軽い音を立てて離れていった。


「喜んで、よ。こちらこそ、よろしくお願いするわ。ずっと幸せに暮らしましょう」


「ああ。共に頑張ろう」


 ユナとなら、平穏な中でも適度に刺激的な毎日を送れそうだ。

 次はマリアに視線を向ける。


「マリア。いつも元気な君に癒やされているぞ。ありがとう」


「ううん! マリアの方こそ、タカシお兄ちゃんには感謝しているよっ!」


 彼女が元気よくそう答える。


「そういえば、俺の呼び方はずっと『お兄ちゃん』なんだな? もう結婚したんだから、呼び方を変えてくれても構わないんだぞ?」


「え? ……そういえば、そうだね。えっと……。タカシさん? うう……何だか恥ずかしい……」


 彼女が照れくさそうにそう言う。


「ふふふ。確かにそうかもな」


「やっぱり、タカシお兄ちゃんはお兄ちゃんだよっ! これからもよろしくね」


「あぁ。こちらこそ」


 マリアと軽く抱き合い、口づけをした。

 彼女は母親に似て、とても美人だ。

 出会ってから2年ほどが経過するが、順調に成長を続けている。

 これほどの女性と結婚できたのは僥倖と言えるだろう。

 続いて、サリエに向き直る。


「サリエ。君のおかげで、俺は貴族社会の常識を知ることができた。時に厳しく時に優しい君のことが大好きだよ」


「私も好きです。今後もハイブリッジ家のために微力を尽くしますね」


 彼女は優しく微笑んでくれた。


「ありがとう。至らぬ俺だが、精一杯頑張ることを誓う」


「はい。私はいつでもあなたの味方です。どんな時でも頼ってください」


「もちろんだ。これからも末永く頼む」


 サリエと口づけを交わす。

 彼女の口づけはとても心地よい。

 優しい味がする。

 まるで天使の祝福を受けているようだ。

 俺は彼女とのキスを終え、リーゼロッテに視線を向ける。


「さて、最後はリーゼロッテだな」


「はい。タカシさんの妻になれることを嬉しく思います。今後もおいしい料理を食べられるかと思うと……」


 リーゼロッテが悪戯っぽく笑う。


「ははは、それは良かった。これからも色々な料理を食べる機会があるだろう。俺も美味しいものは好きだしな」


「はい。楽しみにしてますわ」


「期待して待っていてくれ。それじゃ……」


 俺はリーゼロッテの顎に手をかけ、そっと上向かせる。


「タカシさん……んっ……」


 彼女とのキスを終えると、会場内に拍手が鳴り響いた。

 みんなが祝福してくれている。


「新郎新婦の皆様、この度はご結婚誠におめでとうございます! それでは、新郎のタカシ様よりご挨拶を賜りたいと思います」


 司式者がそう宣言すると、俺は壇上に上がった。


「皆さん。本日は私共の結婚式に参加していただき、本当にありがとうございます。私は今こうして幸せを感じていますが、これも全て、私の力ではなく皆さまのおかげに他なりません。改めて、心より感謝申し上げます」


 俺はそこで一礼する。


「皆さまのご支援とご理解、そして優秀な仲間や配下に恵まれたこともあり、我がハイブリッジ騎士爵領は豊かになりました。領民たちも日々の生活に満足しています。しかし、まだまだ改善の余地はあるでしょう。今後も領主として努力していく所存です。そして、今日ここにいる妻たちと幸せな家庭を築いていきたいと思っています。今後ともどうぞよろしくお願い致します」


 俺はそう言って再び頭を下げた。

 合わせて、ニム、ユナ、マリア、サリエ、リーゼロッテも同じように頭を下げる。

 会場内に温かい拍手が巻き起こった。


「ハイブリッジ騎士爵家は、まだまだ上を目指すのか……」


「彼なら、それも可能だろう」


「今のうちに仲良くなっておくべきだな」


「場合によっては我が娘をせっついてみるか……」


 そんな声がちらほらと聞こえてくる。

 それぞれの思いが錯綜しているようだが、敵対的な感じではなさそうだ。


 これで、合同結婚式のメインイベントである誓いの儀式が終わったことになる。

 ひと安心ではあるが、最後まで気は抜けない。

 気を引き締めていこう。

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