俺はサーニャちゃんに性的知識を教えている。
「で、でも……にゃぁはまだ子どもですにゃ……」
「いいえ、違います」
サーニャちゃんの言葉に、俺は首を振る。
「さっちゃんさん。男性の中には、あなたのように若くて可愛い女性が大好きだという方も多いのです」
「そ、そんなバカにゃ……」
サーニャが否定する。
しかし、これは事実だ。
一部の統計では、14歳ぐらいが最も人気というデータもあるぐらいだ。
現代日本のようにある程度成熟した社会において14歳の少女が好きだと公言すれば、社会的に死ぬ。
だが、生物の本能として14歳ぐらいの少女を求めることにも一定の合理性が存在する。
それよりも幼いと、そもそも子どもを生む体ができていない。
それよりも年上だと、子どもを生む体ができてから時間が経っていることもあり、他の雄から既に手を出されている可能性がある。
雄の立場から見れば、14歳ぐらいの成熟したての少女が最も魅力的に映り得るのだ。
まぁ、サーニャちゃんはそのさらに一歩手前ぐらいだが……。
「さっちゃんさんに夢中になる男は少なくないでしょう。そのような方がもしあなたに欲情してしまったら……。おそらく、力付くであなたを押し倒し、無理やりあなたの初めてを奪ってしまうことでしょう」
「にゃっ!? は、初めて……ですにゃ?」
「つまり、さっちゃんさんとの間に無理やり子どもを作ってしまおうということですね」
「そ、そんにゃことが……? あり得ませんにゃ。だって、にゃぁはまだ子どもですにゃ」
やはりこれぐらいの年齢が一番危ういな。
サーニャちゃんは純真すぎる。
ここまで純粋だと、むしろ心配になってしまうレベルだ。
「さっちゃんさん。残念ながら、心は子どもでも、体だけは先に立派な大人へ成長してしまうことはあるのです」
「そ、そんな……」
「だからこそ、無防備な姿を晒すような癖は今のうちに取り除いておかなければなりません。これからはブラジャーをしっかり付けて、胸元にも注意しましょう」
「……」
サーニャちゃんが黙る。
理解してくれたのだろうか?
そうであればいいが……。
「あの……」
しばらく黙り込んでいたサーニャちゃんが口を開く。
「どうしました? やはり不安ですか?」
「いえ、そうではなく……。お客様のおっしゃることは分かりましたにゃ。でも、一つだけ分からないことがあるんですにゃ」
「なんですか? 俺に分かることなら何でも答えますよ」
「お客様のそこは膨らんでいますにゃ。ということは……お客様はにゃぁのことが好きですかにゃ?」
「もちろんです」
俺は即答する。
「サーニャさんは魅力的な女性です。それは間違いありません」
「そうですか……。では、なぜその大きくなったものをにゃぁに押し付けるのですにゃ?」
「えっ?」
俺は思わず声を上げる。
今の今まで気づかなかったが、いつの間にか俺はサーニャちゃんの腰に腕を回していた。
まるで、後ろから抱きつくような形で彼女の体を引き寄せている。
「こ、これは失礼を。すぐに離れますね」
「いえ、そのままでいいですにゃ。むしろ、もっと強く抱きしめて欲しいですにゃ」
「……はい?」
「その……さっきの話を聞いて、にゃぁもちょっとドキドキしていますにゃ。こんな気持ちになったのは生まれてはじめてですにゃ。にゃぁはどうしたらいいのか……。お客様の胸元で考えたいと思いますにゃ」
「ええっと……」
……どうしよう。
つまりこれは、彼女としても俺を受け入れるつもりがあるということだろうか。
彼女が成人女性であれば、据え膳食わぬは男の恥とばかりに喜んで頂きたいところだ。
逆にまだまだ完全な子どもなら、一線を超えることは明確に拒否する。
貴族や冒険者としての外聞を考えてのことではない。
本人の体のことを考えてだ。
体ができていない頃からそういうことをすると、体を痛めてしまうリスクがあるからな。
では、サーニャちゃんはどうか?
彼女は膨らみかけの美少女だ。
膨らみきった年齢ではないし、膨らむ前の蕾でもない。
これぐらいの年齢が一番悩むよな。
ニムやマリアのように長い間行動を共にして体のことを熟知しているならばともかく……。
出会って2日目に手を出すのはマズイ。
(どうするべきか……)
思わぬ据え膳を前にして、俺は悩むのだった。
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