【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

745話 ミティvsロッシュ

公開日時: 2022年8月9日(火) 12:17
文字数:2,166

 ミティが変態五人衆を返り討ちにした。


「な、なんだあの嬢ちゃんは……」


「このカジノが誇る五英傑をこうも簡単に……」


「しかも、まだガキじゃないか……」


「あんな子どもがあの人たちを倒すなんて……」


「ありえない……」


 観客や『闇蛇団』の職員が動揺している。


「もっと強い人はいないのですか! このカジノも大したことはありませんね!!」


 ミティが威勢よく叫ぶ。

 そのときだった。


「へへへ。活きの良いガキがいるじゃねぇか」


 ドレッドヘアーの男が姿を現した。


「お前がボスですね! 勝負です!!」


 ミティが嬉々として勝負を申し込む。


「ふっ……。俺の名は”ギャンブル王”ロッシュ。最強の賭博師だ」


「なんですって!? 私だって最強ですよ!」


「ほう。言うじゃねぇか……。じゃあよ、お前はパンツについてどう思う?」


「はあ!?」


 いきなり妙なことを聞いてくる男だ。


「なぜ急に下着の話をするのです?」


 ミティが困惑顔になる。


「パンツはいい。”パンがなければパンツを食べればいいのに”という素晴らしい言葉があるように、人類にとって、下着はなくてはならない存在なのだ」


「意味不明です! さっさと勝負しなさい!!」


「お前も下着を穿いているのなら、当然わかるはずだ。俺とお前は同じ穴のムジナだとな……」


「私はそんなことわかりません!」


「そうか。お前はパンツを履いていないということか……」


「履いてます!! 失礼なことを言わないでください!」


 ミティが顔を真っ赤にして怒る。

 どうにも会話が噛み合っていない。


「では、俺と同じ人種だということだ。仲良くやろうぜ? パンツを履いている奴に悪い奴はいねぇ」


 ロッシュがミティに手を差し出す。

 握手を求めているようだ。


「黙れ! 変態のゴミ虫が!!」


 ミティは怒りをあらわに叫ぶと、ロッシュの手をはたいて握手を拒絶した。


「そうか。お前とは分かり合えないようだな……。ならば仕方ない。力づくでわからせてやるぜ!」


 男はそう叫ぶと、テーブルの上にトランプを置いた。


「俺がカードで負けることは絶対にない!」


「ふんっ! 何を言っているのですか!! あなたはここでおしまいです!!」


 ミティが高らかに宣言する。

 そして、いよいよポーカー勝負が始まった。


「レイズです」


「ふん……。俺がそんなプラフにビビるとでも思っているのか?」


 ロッシュが余裕の表情で言う。

 そして、手札をオープンにした。


「ワンペアだ」


「むう……強敵ですね……。私はブタです……」


 ミティは悔しげにうめいた。

 ブタと言えば役なしのことなんだが、ミティのような美少女が言うとまた別の意味に聞こえて興奮する。

 夜の彼女は、どちらか言えばパワフルに責めてくるタイプだ。

 しかし、たまには攻守を逆転してみるのも面白いかもしれない。

 ”私はブタです”と夜に聞かせてほしいものだ。


(むっ! いかん、モノが大きくなってきた……)


 ミティとの営みを想像して、うっかり興奮してきた。

 これは少しマズい。


 ここは『闇蛇団』のアジト。

 場合によっては、いきなり戦闘になる可能性がなくもない。

 その際に、股間にテントを張ったまま戦うのは格好が付かない。


 何とか鎮めなければ。

 心を落ち着かせて……。


「あひっ! そ、そこはらめですぅ……」


「ん?」


「いやぁん……」


「おいおい、変な声を出すなよ……」


 突然、泥酔状態のトパーズから艶っぽい吐息が漏れてきた。

 ただでさえ興奮しているときに、余計な刺激を与えてくれるな。

 俺は、心の中でため息をついた。


「で、でもぉ。あなた様の手がぁ……」


「手? おおっ!? いつの間に……」


 俺が自分の手を見ると、知らない間にトパーズの股間をまさぐっていた。


「すまん。無意識のうちに手が動いてしまったみたいだ」


 俺は謝り、手を引き抜く。


「い、いえぇ。気持ちよかったので大丈夫れふぅ……」


「そうか」


 トパーズは意外にも寛容だった。

 酔っ払って判断能力が落ちているのだろうか?

 まったく、自己管理ができていないからこうなるんだ。

 まあ、最初にアルハラをかましたのは俺だが……。

 俺はトパーズのことを意識から振り払い、ミティとロッシュの勝負に視線を戻す。


「くっ! これで3連敗ですか……!」


「へへ。強気の賭けは、資金に乏しい奴や新参者には有効だがな。この俺には通じねぇ」


 ミティは劣勢のようだ。

 やはり頭目ともなれば、それなりの実力を持っているということだろう。


「さあ、次の勝負だ」


「望むところです!」


 2人はさらにカードをシャッフルし、新たな勝負を始めた。

 もしミティが負けてしまったら、次は俺が出るか。

 今のうちにロッシュの戦法を分析しておかないと。


 これまでの勝負では、ロッシュは真っ当に勝負をしているようだ。

 イカサマでもしてくれたら、対応が楽なのになぁ。

 俺がそんなことを考えているときだった。


「……ん?」


 俺は右手に不思議な感触を覚えた。

 それはマシュマロのように柔らかい感覚だった。


「なんだ? トパーズ」


「さっきのつづきのしてほしいのれふぅ……」


 トロンとした瞳で俺を見つめるトパーズ。


「お前は本当に酒癖が悪いな。今はダメだ」


「そんなこと言わないれくらさいぃ……。もっとさわってほしいれすぅ」


「やれやれ……。仕方ないな……。少しだけだぞ?」


「はい……。ありがとうございまず……。はぁんっ……」


 やれやれ。

 モテる男はツライぜ。

 トパーズの相手を適当に終わらせて、ミティとロッシュの試合を見ていかないとな。

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