【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

846話 居住場所の思案

公開日時: 2022年11月19日(土) 13:31
文字数:2,427

 屋敷の新たなレイアウトを確認している。

 本館、一号館、二号館。

 それぞれが増築されているので、誰がどこに住むかを決める必要がある。

 セバスとオリビアに、いい感じに調整するよう頼んだところだ。

 彼らに任せておけば問題ないが、一応は俺も一考しておこう。


(新参者は……雪月花、ナオミ、ノノン、ニッケス、ゼラ、レネ、アビー、キサラ、トパーズ、その他の盗賊たちといったところか)


 彼女たちは今、屋敷の庭や1階で待機してもらっている。

 加護(小)を付与済みの者たちはともかく、まだ全面的には信頼できない者もいるからな。

 屋敷内のレイアウトを案内するのはやり過ぎだろうという判断だ。


 雪月花は、元々は御用達冒険者だ。

 直接の配下ではないので、彼女たちは街の宿に泊まっていた。

 雪と花には加護(小)を付与できたし、そろそろ配下として直接雇用してもいい頃合いだろう。

 三姉妹ということを考えれば、家族連れ向けの一号館がいいかもしれない。

 やや荒い作りだが、部屋の大きさは申し分ないからな。


 あるいは、俺のハーレムメンバー候補として本館の増築部分に住んでもらうのもありだ。

 花と雪は半ば俺の女になったようなものだしな。

 直接的な体の関係こそまだないものの、彼女らとの相性は悪くなさそうだ。

 今後、関係を深めていけば自ずとその先へ至れる可能性は高い。


(ナオミも似たようなものかな?)


 オイルマッサージで全身を揉みほぐしたこともあり、彼女の弱いところは全て知っている。

 騎士としての俺に深い敬意を示してくれているし、現時点でも強く迫れば断られることはないだろう。

 ハーレムメンバー候補として、本館に住んでもらうと便利だ。

 ただしその場合、あまりにも露骨過ぎるんだよな。


 ナオミは治安維持隊に配属する予定だ。

 その上司となるナオンと俺の仲は、さほど進んでいない。

 貴族家当主としての俺に敬意は払ってくれているが、男女の仲はまた別だからな。

 治安維持隊隊長のナオンが二号館に住んでいる現状で、新参の一般隊員のナオミが本館に住み始めたらどうなるか?

 正義感が強いナオンが部下をいじめるとも思えないが、少なくとも良い感情は抱かないように思える。


(ノノンは、数年後が楽しみな美少女だ。ぜひとも本館に住んでほしいが……)


 ノノンはまだやや幼い。

 しかし、ロリコンの俺には全く問題ない年頃だ。

 だが、彼女は両親と共にここまで来ている。


 両親を一号館に住まわせて、その娘のみを本館に住まわせる?

 絶対にないとも言い切れない選択肢だが、少し気まずい感じだな。

 ノノン一家は家族連れで一号館に住んでもらうのが良さそうか。


(ゼラとレネは食客みたいなものだな。配下ではないし、一号館や二号館に住まわせるのは違和感がある。街の宿屋を手配するのもいいが……。増築されて部屋に余裕ができた今、本館の増築部分の部屋を貸し与えるのが良さそうか)


 ゼラやレネに限らず、今後も一時的な来客がある可能性は高い。

 来客専門の一角も用意しておいた方が便利だな。

 トリスタが多めに敷地を広げてくれたおかげで、庭にはまだゆとりがある。

 本館の増築部分の左右方向に、来客専門の別棟を建てるのもありだ。


(アビーは……本館でいいか。いや、二号館の方が……?)


 彼女はまだ加護(微)にとどまる上、特に一芸に秀でているわけでもない。

 配下というよりは、純粋に俺の愛人みたいなものだな。

 いや、まだ手は出していないのだが。

 本館で適度に甘やかしつつ手を出すことに成功すれば、加護(小)も狙えるだろう。


 だが、俺のハーレムメンバーは、候補者も含めてみんな精力的に活動しているんだよな。

 そんな中、純粋な愛人として本館でのんびりと過ごす存在は快く思われないかもしれない。

 やはり、アビーにも適度に働いてもらうのが良さそうか。

 ハーレムメンバーに昇格するまでは二号館で暮らしてもらうのもなくはない。


(盗賊どもは、近いうちに採掘場に連れていこう。ブギー頭領に任せれば、いい感じに制御してくれるはずだ。それはそれとして、キサラとトパーズは……)


 女盗賊キサラ、違法カジノの案内人トパーズ。

 犯罪者という点を考慮すれば、他の盗賊たちといっしょに採掘場で働かせるのが良さそうだ。

 しかし、彼女たちもなかなかの美人であり、俺が普段住んでいるラーグの街から物理的に遠い採掘場に配置するのは少しもったいない気もする。

 まぁ俺には魅力的な愛する妻たちがいるし、ハーレムメンバー候補もいる。

 今さら1人や2人がこぼれ落ちた程度で、どうというわけでもないのだが……。


(まぁ、そのあたりは他の物事と並行して臨機応変に適切に決定すればいいか)


 チートの恩恵を多大に受けている俺ではあるが、もちろん全知全能などではない。

 一度に処理できる物事には限界がある。

 ヤマト連邦への潜入作戦も控えているし、ラーグの街での所用は配下の者たちで処理してもらう方向性がいいだろう。

 俺はあくまで、気付いたことに首を突っ込む程度だ。

 別名、丸投げとも言う。


「ふむ……。素晴らしい仕事ぶりだったぞ。改めてありがとう、トリスタ」


 俺は感謝の言葉を伝える。


「いえいえ。これぐらいは当然の仕事さ。評価してくれるなら、僕の休日を増やし――」


「却下だ。……と言いたいところだが、一考はしておこう。だが、あまりそういうことばかり言っていると、またヒナに怒られるんじゃないか?」


「うっ……」


 トリスタは、スキあればこういう交渉をしてくる。

 昇進だとか給料アップではなく、休日の増加というのが彼らしい。

 彼の奥さんのヒナは鬼嫁というわけでもないのだが、だだ甘というわけでもない。

 休日を増やしすぎると、ヒナが怒り出す可能性はある。


 増築部分を一通り見て回った俺たちは、最後にもう一度本館の増築部分の1階を通る。

 こちらはこちらで、リビングがある。

 元々の本館部分のリビングほどではないが、それなりに広い部屋だ。


「――ん? これは何だ? ビリオンズ活動拠点……?」


 俺はそこに、見慣れぬ垂れ幕がぶら下がっていることに気付いたのだった。

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