【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

811話 そろそろラーグの街に 後編

公開日時: 2022年10月14日(金) 12:10
文字数:2,024

 ラーグの街への帰還に向けて、ミリオンズの面々と最終の打ち合わせをしている。


「リーゼは……」


「わたくしも問題ありませんわ。終えるべき用事は全て済ませましたので」


「おお……! さすがはリーゼだ。やるべきときはやる――」


「『まんぷく亭』の餅料理に、『トリックルバード』の鳥料理。その他にも、王都で有名な店は一通り回りましたわ」


「そっちがメインなのかよっ!?」


「あら、いけませんでしたかしら?」


「まぁ、いいけどな……」


 相変わらず食いしん坊さんだ。

 彼女はラスターレイン伯爵家の長女。

 サザリアナ王国の各貴族家との橋渡し役を期待していたのだが……。

 その役目はサリエも担ってくれているし、別にいいか。


「蓮華はどうだ?」


「うむ。騎士団との鍛錬は有意義でござった。拙者は元々、故郷の大和連邦での戦いに立ち向かうために武者修行をしておった身でござる。大和連邦に向かうためにこの王都を離れるというのであれば、拙者に否やはない」


「それは良かった」


「ああ、しかし……。正直に言えば、一つだけ心残りがあるでござる」


「ん? 何だ? 何か心配事があるのか?」


「心配事の類ではない。鍛錬の話でござるが……。ここで言うのは少し……」


「……ああ。なるほどな。分かった、後で話そうか」


 蓮華の戦闘手段は、主に剣術と風魔法だ。

 剣術については、騎士団の面々とよく鍛錬を行っていた。

 俺、キリヤ、レイン、雪月花あたりが混ざることもあった。

 これに関しては、何も恥じることがない。


 みんなの前では言い淀むような内容の鍛錬と言えば、心当たりは一つだ。

 ルクアージュやラーグの街でも行った鍛錬だが、そう言えば王都ではやっていなかったな。

 さらなるレベルアップのためにも、やっておくべきだろう。


「最後はレインだな。何かやり残したことはあるか?」


「は、はいっ! わたしなんかをミリオンズの末席に加えていただき、ありがとうございます!」


 レインが深々と頭を下げる。

 先日、冒険者ギルドにてレインにミリオンズへ加入してもらったのだ。


 見ての通り、必要以上に畏まっている。

 新入りだし、元々の職務がメイドというのも関係しているのだろうか。 

 緊張のためか、俺の問いに答えてくれていない。


「そんなに畏まる必要はないぞ。お前は俺の家族みたいなものだ。遠慮なく何でも言ってほしい。何かやり残したことはあるか?」


「はい……。あ、いえ、分かりました。ええと、わたしは、ええと……」


「うん? どうかしたのか? 何か困りごとでもあるなら聞くぞ?」


「その、またお尻を叩いていただけないでしょうか……」


「「「「「「…………」」」」」」


 みんなが一斉に沈黙した。

 俺は苦笑する。


「それはラーグの街に帰ってからでもいいんじゃないか?」


「えっ? あ! す、すみません! 忘れてください! わ、わた、わたしは、その……」


「隠す必要はないさ。俺たちは家族なんだから」


 大っぴらにできない趣味ぐらい、誰でも持っているものである。

 昼の顔と夜の顔は、異なることも多い。


 夜のミティは結構強引に迫ってくる。

 アイリスは活動的な昼の様子とは打って変わり、かなり大人しく慎ましい。

 モニカは自慢の脚や舌を使って責めてくる。

 ニムは土魔法を使った拘束プレイが好みだ。


 ユナは、夜に建物の屋根の上で致すのが好きらしい。

 マリアは、俺とニムのお楽しみを間近で観察してくる。

 普段はしっかり者のサリエは、ベッドではかなりの甘えん坊だ

 リーゼロッテは複数から責められる半百合プレイが好み。

 そして蓮華は、本人は否定しているが露出癖がある。


 こうして思い返してみると、俺の周りの女性陣には多かれ少なかれ、人前ではとても言えないような性癖を持った女性が多い気がしてきた。


「はい……。その、わたし、恥ずかしくて……」


「気にしないでくれ。今度、みんなでレインの尻を叩いてやるよ」


「は、はい! ありがとうございます! わ、わたし、頑張りますっ」


「「「…………」」」


 再び、みんなの視線が痛かった。

 まぁ、いいさ。

 そういうことも時には必要なんだ。

 ……たぶん。


「それはそれとして、他にやり残したことはないか?」


「そうですね……。あっ!」


「何かあるのか?」


「騎士団の人たちが寂しがっていましたよ。特にルシエラさんと、後はレティシア中隊長さんとか……」


「ああ、彼女たちか」


 ルシエラは、ナオミと同格の騎士見習いの少女だな。

 俺はナオミをハイブリッジ男爵家に引き抜いた。

 その一方で、ルシエラは王都騎士団の所属のままとなる。

 王都を出発する前に顔を出して最後の挨拶をしておくか。


 レティシア中隊長は、賊たちの後処理の際に関わる機会が多かった女性だ。

 そこそこ仲は深まっている。

 今のタイミングなら”誓約の五騎士”のイリーナも少しぐらい時間ができているかもしれないし、彼女たちにも別れの挨拶ぐらいはしておくか。


「よしっ! それでは、王都の出発は数日後に予定しよう。各自、それに向けて準備を――」


「ちょっとお待ちください! タカシ様!!」


 ミティが手を上げて俺の発言を遮ったのだった。

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