【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

839話 宴会

公開日時: 2022年11月12日(土) 12:19
文字数:2,112

「では、無事に盗賊を撃破したことを祝して、乾杯!」


「「「かんぱ~い!」」」


 村の広場にて、俺たちは宴を始めた。

 村の復興作業は順調に進んだ。

 元々、大して破壊されていなかったしな。

 後は自力で復興できるだろう。


「ミティ、楽しそうだな?」


「はい! 村で作られた酒がなかなかに美味しいです!!」


「確かにな。悪くない味だ。少し酒精が強いかもしれないが……」


 俺は特別に酒好きというわけではないが、人並みには飲む。

 そして、貴族になったこともあり良い酒を飲む機会も増えた。

 そんな俺でも、この村の酒を飲んで悪いとは思わなかった。


「この村の特産品なのだそうですよ」


「なるほどなぁ」


 俺はそんな会話をしつつ、宴会を楽しんでいく。

 宴会の座席というものはあってないようなもので、皆思い思いに座っている。

 しばらくすると、1人の少女……いや幼女が近づいてきた。


「貴方様、ご満足しておられますか?」


 幼女に似つかわしくない丁寧な言葉遣い。

 村長の孫娘であるラフィーナだ。


「ああ、素晴らしい宴会だよ。ありがとう」


「いえ、貴方様から受け取った恩義に比べれば、この程度のことなど……」


「気にする必要はないさ。俺はただ、自分の好きなようにやっただけだ」


「それでも、この村を救っていただいたのは事実。感謝しています」


 本当に丁寧な子だなぁ。

 俺が関心しているときだった。


「タカシっ! この料理を食べてみてよ!!」


 モニカが乱入してきた。

 結構な量の酒を飲んだらしく、酔っているようだ。

 まぁ、ここの酒は結構酒精がキツイからなぁ……。


「これは……肉料理か? どうしてこれを……」


「いいから食べてみてよ!」


「ふむ……」


 ミリオンズが誇る一流料理人モニカがオススメする肉料理なら、食べてハズレはないだろう。

 俺は、その料理を口に運ぶ。


「うおっ!? なんだこれ、めちゃくちゃうまいじゃないか!」


「でしょでしょ?」


「相変わらず素晴らしい味だ。俺に対する愛情を感じる。それでこそ、俺の愛するモニカだな」


「えへへ~。――と言いたいところだけど、実は違うんだなぁ」


「え?」


 何が違うと言うのだろう?

 俺は首を傾げる。


「その料理は、私じゃなくてゼラちゃんが作ったんだよ」


「ゼラが? 凄いな。ゼラは肉料理も得意なのか」


「うん! ゼラちゃんは何でもできるよ! ねぇ? ゼラちゃん」


「はいなのです。メインは麺料理ですが、当然他の料理も練習しているのです」


 ゼラがそう答える。


「ほぅ。それは素晴らしい。しかし、それにしても――」


「? なんなのです?」


「この料理はとても美味しかった。もう一度言うが、俺への愛が感じられる味だ」


「へ?」


「ふふふ。まさかゼラが俺のことをなぁ。妻の友人だから遠慮していたが、今後はガンガン攻めさせて貰おうかな?」


「はいぃ!? な、何を言っているのです!?」


 俺がゼラの手を握って言い寄ると、彼女は顔を真っ赤にして困惑した。

 こういった方面は疎いらしい。


「恥ずかしがることはないさ。ゼラがいいなら、俺はいつでも構わないぞ?」


 俺は彼女の顎を持ち上げる。


「ちょっ! ぼ、ボクは別に……。それに、さすがに早すぎるのです。こういうのは順序というものが……」


「男女の愛に、早い遅いなんて関係ない。ゼラがいいなら、今夜にでもどうだ? ゼラの全裸を見せてくれ」


 あっ、しまった!

 口説き文句の中に、しょうもないダジャレをぶっ込んでしまった。

 どうやら、相当に酔っ払ってきているようだ。


「ぜ、ぜんらって……な、なにを言って……」


「ははは。冗談だ。ゼラは可愛いなぁ」


 俺は笑いながらそう言った。

 だが、これがまずかった。


「か、かわっ――!?」


「ん?」


「か、かかか、可愛くなんかないのです! もう知らないのです!」


「あ~、行ってしまった……」


 ゼラは怒ってどこかに行ってしまう。

 少しやりすぎたようだ。

 モニカがジト目で見てくる。


「タカシ……さすがに手を出すのが早くない? そりゃ、いつかはそうなるかもって思っていたけど……」


 やはり、男女関係において俺は信用されていないな。

 妻の友人だろうと、見境なく手を出すと思われているようだ。

 まぁ、その通りなのだが。


「すまない……。悪酔いしてしまっているようだ。ゼラをフォローしてもらってもいいか? 俺も明日、謝っておくから……」


「まったく……仕方がないなぁ」


 モニカは呆れながらも、ゼラを追いかけていった。

 そんな俺たちの様子を、ラフィーナは楽しげに見ていた。


「ふふふ。貴方様はモテますね。私も負けていられません」


「いやいや、ラフィーナはまだ子どもだろう?」


「確かにそうですが、いずれ大人になる身です。貴方様に釣り合う女性に成長できるよう、頑張りますので」


「はぁ、ラフィーナは真面目だなぁ」


「そうでもありませんよ? 例えば――」


 ラフィーナが俺の耳元で何やら呟く。

 俺は酔っ払っていたせいもあり、よく聞き取れなかった。


「おう。わかったよ」


 つい、適当に返事をしてしまう。

 いかんな。

 本格的に酔いが回ってきた。

 過度に酔っ払うと、全てが適当になるのだ。


「はい。では、楽しみにしております」


 ラフィーナは去っていった。

 その後はノノンやアビーなどとも会話した気もするが、よく覚えていない。

 俺はフラフラの足取りで、今日の宿泊先の部屋へと向かったのだった。

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