【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1448話 薄着

公開日時: 2024年7月18日(木) 12:11
文字数:1,388

「……本当に『これ』が良い謝罪方法なのか?」


「ああ。これなら間違いなく、相手に許しをもらえるはずだ」


「……そうか」


 少年が自信満々に言う。

 俺はまだよく分かっていないが、信じることにした。


「流華もいいか?」


「……ちょっと恥ずかしいけど……。が、我慢する……」


 流華は渋々といった様子で頷いた。

 彼は今、かなりの薄着となっている。


 上半身はボロ切れのみであり、腹や脇が丸見えの状態だ。

 かろうじて隠せているのは、胸部のみ。

 流華は男なので、別に胸部すら隠す必要はないように思えたが……。

 おそらく、貧弱な大胸筋を見られたくないのだろう。

 とても恥ずかしそうだ。


 そして、下半身。

 ズボンを履いているものの、その丈は非常に短くなっている。

 太ももが完全に露出しており、尻も半分見えてるような状態だ。

 前側もぴっちりしている。

 かなり際どい状態だ。

 外側から彼のアレの存在感を感じられないのが気になるが……。

 それほどまでに小さいということだろう。

 あるいは、これから『流華へのお怒り度が高めの人たち』へ謝罪に向かうことを考え、縮こまっているのかもしれない。


 男にとって、自分のモノのサイズや大胸筋の発達度というのは重要な問題だ。

 それらの未発達ぶりを強調する格好を強要され、流華は恥ずかしさや屈辱感を覚えているのだろうな。

 彼の顔は真っ赤である。


「流華、本当に大丈夫なのか?」


「……ああ」


「無理はするな。どうしてもと言うなら、他の方法を考えるぞ」


 俺は男に厳しい。

 だが、流華はまだ12歳ぐらいだし、多少の手心は必要だ。

 少年にとってデリケートな問題を強調して辱めて、トラウマになったら可哀想だし……。

 加護(微)を満たす程度には俺に好感度を持っている者に対して、厳しくしすぎるつもりにもなれない。


「だ、大丈夫。兄貴にこれ以上の迷惑はかけられねぇ」


「迷惑なんて、俺は思ってない。流華が心配なだけだ」


「お、おう……。あ、ありがとよ……」


「ああ」


 俺は頷く。

 流華は顔を赤くし、視線をそらした。

 そして、モジモジしながら言う。


「兄貴は……こういうのだって好きなんだろ?」


「こういうのって?」


「だから……こういう格好で大通りを歩かせることだよ……」


「ふむ……?」


 思わぬ問いに、俺は首をひねる。

 少年に際どい格好をさせて、衆人環視のもと歩かせる。

 かなり特殊な状況だ。


「うーん……。別に好きってわけではないのだが……」


 そもそも、俺は同性愛者ではない。

 仮に女性相手だったとしても、こういった状況を強要して興奮するかと言われると……。

 かなり微妙なところだな。

 愛する女性は俺だけのものだ。

 どうして、他の男たちに見せびらかさねばならないのか。

 背徳感から妙な興奮を覚える可能性はあるが……。

 基本的には、あまり気が乗らない。


「そ、そうなのか?」


 流華が驚いたように言う。

 俺は頷いた。


「ああ」


「……でもよ。ならどうして兄貴のそこは……」


「ん?」


 流華が指さす。

 彼の指の先にあるのは、俺の股間だ。


「……あ」


 流華に指摘されて、俺はようやく自分の状態に気が付く。

 俺の侍装束の股間部分は……大きく膨れ上がっていた。

 バカな……。

 流華は男だぞ?

 確かに、男にしては妙な色気があると思うが……。


「ごほん! と、ともかく! 今すべきことは謝罪回りだ。流華がいいのなら、このまま出発するぞ」


「お、おう! 兄貴に従うぜ!!」


 流華は力強く頷いた。

 こうして、俺たちは謝罪回りに再出発したのだった。

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