【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

504話 参加者の決定

公開日時: 2021年12月9日(木) 12:25
文字数:2,449

 ハイブリッジ家の関係者で試合を行うことになった。

 今の参加人数は11人。

 せっかくなので、16人集めてトーナメント形式にしよう。

 参加者をあと5人集めたい。

 セバスが視線を向けた先には……。


「では、私が参加致しましょう」


 オリビアがそう言う。

 彼女はサリエの付き人だ。

 家事や料理に加えて、戦闘能力もそれなりにある。

 さらに、セバスの視線が他の者にも向かう。


「レインさん。参加してみなさい」


「ええっ!? 私ですか?」


「はい。あなたも戦闘の訓練はしたことがあるでしょう」


「う~。でも、実戦経験なんてありませんよ」


 レインがそう言う。

 何らかの戦闘技法は習っていたことがあるが、兵士や冒険者として活動していたわけではないといったところか。

 そう言えば、モニカも幼少期から格闘を習っていたのだったか。

 彼女に加護を付与した時点で、格闘術レベル1を所持していた。

 その分、冒険者としてデビューした後も順調に成長して活躍してみせた。


「いいじゃないか。出てみるといい。何かあっても、治療魔法使いはたくさんいる。大事にはならないさ」


 俺はそう声を掛ける。

 ミリオンズには治療魔法使いが多い。

 まずは、治療魔法レベル5のサリエ。

 他にも、俺、アイリス、マリア、リーゼロッテがいる。


「……わかりました。やってみます!」


 レインがそう言う。


「よし。では、他には……」


「セバスさんも出てくださいよ。私にお手本を見せてください」


 レインがそう言う。

 老体に戦闘は無理だろう。

 俺はそう思ったが……。


「ほほ。よろしいですよ。それでしたら、私も参加させていただきます」


「おお! セバスも戦えるのか。それは初耳だ」


 彼は執事として非常に有能で、ソツのない仕事をしてくれている。

 それに加えて戦闘の心得まであったとはな。


「昔取った杵柄です。しかし、まだまだ若い者には負けませんよ」


「そうか。セバスもレインも、期待しているぞ」


「「はい」」


 これで参加者は14人になった。


「あと2人だな。誰かいないか?」


 俺はそう言って、辺りを見回す。

 いつの間にか、みんなが集結している。


「……アイリス、モニカ。どうだ?」


 ミリオンズの中でも肉弾戦に秀でるのが彼女たちだろう。

 ミティやニムも強いが、彼女たち2人は出場が決まっている。

 他にもユナ、マリア、サリエ、リーゼロッテはもちろん強いが、遠距離攻撃や魔法に秀でたタイプだ。

 今回のトーナメントに無理に出る必要はない。


「そうだねー。出たいところだけど……。やめておくよ」


「私もそうする」


 アイリスとモニカの2人ともが出場辞退だ。


「ふむ……。まあ、2人が出たら他の者が萎縮してしまうか」


 近接戦闘において、彼女たちはミリオンズ内でも最強クラスである。

 ミティやニムに加えて彼女たちも出場してしまうと、優勝は実質的にその4人の争いとなってしまうだろう。

 それは少し面白くない。


「うーん。それもあるけど、実はまだ体調不良気味なんだよね」


 アイリスがそう言う。

 少し前から、調子を崩しがちだ。

 元気な日もあるのだが……。


「同じく。そう言えば、ミティは大丈夫なの?」


「ここ最近は大丈夫です! あまり無理はしないようにします!」


 モニカの問いに、ミティが元気よくそう答える。

 体調を崩しがちなのは、ミティ、アイリス、モニカの3人だ。

 この3人の共通点は何だろう?

 俺が考えこもうとしていたとき……。


「ふっ。それなら、ヴィルナが出てみろよ」


「私? でも、私は1対1の戦闘向きじゃないですよ?」


 キリヤの言葉を受けて、ヴィルナがそう言う。

 彼女は屋敷の警備兵として働いている。

 細剣を使った戦闘能力は、それなりにある。

 冒険者で言えばDランクといったところだろう。

 ただし、彼女の長所はその索敵能力だ。

 兎獣人として優れた聴力を持っている。


「いいじゃねえか。組み合わせ次第ではワンチャンあるかもしれねえぜ? 優勝して、賞金をたんまりもらえばいいだろう」


 キリヤがそう言う。

 優勝候補はミティかニムだ。

 しかし、組み合わせによっては誰しもが優勝する可能性がある。

 ミティとニムが早い内に潰しあった上で、その次の戦いでも疲労が残っていたりすれば、彼女たちでも負けることはあり得る。


「わかりました。では、私も参加でお願いします」


「おう。なら、いよいよ最後の1人だが……」


 俺はそう言う。


「拙者が出させてもらおう。これも修行の一環でござる」


「おお、蓮華もか」


 エルフの侍、蓮華の参戦だ。


「うむ。この中には、まだ手合わせをしたことのない者もいる。興味を惹かれたでござる」


「そうか。健闘に期待しているぞ」


「任せるでござる」


 これで16人が揃った。

 キリヤとナオン。

 トミーと雪月花。

 クリスティ、ネスター、ヒナ。

 ミティとニム。

 オリビア、セバス、レイン。

 ヴィルナと蓮華だ。

 ハイブリッジ家の関係者は他にもいるが、さすがに全員が出場するわけではない。

 しかし、それでもなかなかの人数だ。


「では、早速トーナメント表を作るとする。準備してくれ」


 簡易的なクジを用意し、各自に引いてもらっていく。

 しばらくして、無事に組み合わせは決まった。


「では、北の練習場に向かうか」


「ちょっと待ってよ。ハイブリッジ騎士爵様」


 そう声を掛けてきたのは……。

 文官のトリスタだ。

 彼は参戦しないが、騒ぎを聞きつけてこの場にいる。


「どうした?」


「せっかくだし、観戦客を集めよう。観戦料を取れば街の運営費や開発費の足しにできるよ」


「なるほど」


 抜かり無いな。

 労働嫌いの割には、きちんと考えるべきことを考えている。


「しかし、そんなにすぐに集まるだろうか?」


「そうだね。数日後の開催にすれば、興味のある人は予定を空けてくれると思うけど」


 数日後か。

 まあ問題あるまい。

 参加者は全員、この街を拠点に活動している者たちだからな。


「な、なるほど。悪くありませんね。それなら、その間にわたしの土魔法で”北の練習場”にステージをつくっておきましょう」


「私も手伝いますよ。むんっ!」


 ニムとミティがそう言う。

 そんな感じで、トーナメントは数日後に開催されることになった。

 みんなの戦いを見届けさせてもらうことにしよう。

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