【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

872話 ローラー

公開日時: 2022年12月15日(木) 12:12
文字数:2,277

 俺とリンで、キサラへのくすぐり刑を執行した。


「ふむ……。とりあえず、これぐらいにしておこうか」


「ぜぇ……ぜぇ……。うひひ……ぜぇ……ぜぇ……」


 俺が声を掛けると、キサラは息も絶え絶えといった様子でミニゴーレムに身を預けていた。


「リン、お前も満足したか?」


「はいぃ。お菓子を盗み食いされた時は、本当にショックだったのですが、ご主人さまのおかげで心が晴れた気分ですぅ」


 リンはにっこりと笑った。

 心優しい彼女だが、時にはこうして罰を与える側になるのも良いだろう。


「でも、少し疲れましたぁ。くすぐる方も、なかなか大変ですねぇ」


「ああ。罰を与える方も、決して楽じゃないよな」


 殺すつもりでやる拷問ならばともかく、罰で行うくすぐり刑にはそれなりに気を遣う。

 くすぐられている方も大変だろうが、くすぐっている方も疲れるのだ。

 加護の恩恵を受けているとはいえ、幼女のリンにこれ以上長時間のくすぐり刑を手伝ってもらうのは避けたほうが良さそうだ。


「さて……」


 次はトパーズへ罰を与える番だ。

 キサラは解放するか?

 いや、こいつは放っておくとまた何かやらかすかもしれない。

 ここは――


「”これ”の出番だな。ネフィに作ってもらっておいてよかった」


 魔導技師ジェイネフェリア。

 愛称はネフィである彼は、独創的かつ高品質な魔導具を作る。

 また、俺がアイディアを出して資金と共に依頼をすれば、それに従って魔導具を作ってくれる。

 ハイブリッジ男爵邸に設置したウォシュレットトイレは好評だった。

 そして、今回取り出した”これ”もその一つである。


「え? な、なんですかそれ? 棒……いえ、ローラーですかぁ?」


「ああ。これはな、こう使うんだよ」


 俺はキサラの足裏にローラーをあてがい、固定する。


「ひゃん!?」


 キサラはビクンと体を震わせる。

 このローラーの表面は適度にザラザラしている。

 足裏にこすれても、決して痛くはない。

 ちょうどくすぐったいぐらいのザラザラ感だ。


「おいおい。まだ当てただけなのに、くすぐったがるのは気が早いぞ」


「タカシ親分……何を……?」


「これから、このローラーを高速回転させる」


「え? ま、まさか……」


「その通りだ。高速回転するローラーに足裏を撫で回される感覚は、筆舌に尽くし難いものがあるぞ?」


「ちょ、ちょっと待ってくれ! 散々くすぐってきたじゃないか! もうオレは反省したから!!」


 キサラは懇願するが――


「却下だ。安心しろ、痛くはないはずだ」


 俺は無慈悲にも言い放つ。

 そして俺がローラーに魔力を込めると、それは勢いよく回転を始めた。


「ぎゃあぁっ!?!?」


 凄まじいくすぐったさがキサラを襲っているようだ。


「どうだ?」


「うわああっ!! くひひひっ!! くひゃははははっ!!」


「ふふふ、すごい反応だ」


 俺は笑い転げるキサラを見てニヤリと笑う。

 この魔導具の優れた点。

 それは、一度魔力を込めればしばらく放っておけることだ。

 つまり、キサラがどれだけ苦しんでいようとも、俺が飽きて彼女を解放するまではずっとこのままだ。

 俺が疲れることはない。


「くひひぃっ! うひひぃっ! ぎゃーっははははっ!!」


 キサラは涙と鼻水を流しながら大爆笑する。

 今の俺は何もしていない。

 ただ、キサラの足裏を眺めているだけだ。

 だというのに、キサラはこんな風に無様な姿を晒している。

 それがたまらなく愉快だった。


 なんというか、女を――いや、人を支配しているという実感がある。

 彼女は、俺の手のひらの上だ。

 俺はこんなにドSだっただろうか?


「キサラはしばらく放っておこう。これが彼女への罰だ」


「は、はいぃ……」


「す、すごくくすぐったそうですね……」


「…………(ぶるぶる)」


 リン、ノノン、ロロナは、目の前で繰り広げられる光景に引き気味の様子だ。

 ちびっ子たちの前で、少しやり過ぎたか?

 女の子には刺激が強かったらしい。

 だが、これは別にエッチなお仕置きではないし、グロくて痛々しいお仕置きでもない。

 ただのくすぐり刑だ。


「タカシお兄ちゃんは、変わったことが好きだねっ! この前も、マリアとお空を飛びながら――」


「こら! 余計なことは言わなくてよろしい!」


「あうぅ~」


 マリアは特に引いていない様子だったが、余計なことをポロッと喋りそうになった。

 俺は慌てて彼女の口を塞ぐ。

 危ないところだった。


「へ、変態男爵……。こんなところにいては、私まで変になってしまう……」


 トパーズは、くすぐり刑にもだえるキサラに視線を向けつつも、俺を警戒している様子だ。


「さぁて……」


 俺は彼女に視線を向ける。


「ひっ……!?」


 トパーズが短い悲鳴を上げた。


「次はお前の番だ」


「な、なぜ……? 私はここで暴れたりしていませんし、お菓子の盗み食いなんかも……」


「ああ、そうだな。だが、お前はさっきの会議で反抗的な態度を取っていただろう? 昔の仲間とこの鉱山を乗っ取るとかどうとか……」


 キサラは戦闘能力が高く、直情型だ。

 一方のトパーズは非戦闘員であり、性格的にも落ち着いている。

 短期的な危険度としてはキサラが上なのだが、長期的な危険度としてはトパーズも決して引けを取らない。

 ここでしっかり更生させておかないと、将来的なリスク要因になる可能性がある。


「そ、それは……」


「反乱分子を見過ごすわけにはいかない。よって、今からお前に罰を与える」


「なっ!? やめてください! 私が悪かったです! ごめんなさい! ごめんなさ――」


「問答無用!! 【ロック・デ・ロック】!!!」


 俺は土魔法を発動し、トパーズを拘束する。

 罰は何にしようか?

 キサラには魔導具で放置プレイをしているわけだし、手は空いている。

 同じようなくすぐり刑でもいいし、他の刑でもいいな。

 ここは――

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