今回のミティのスキル強化の方針は、大きく3つ考えられる。
既存のスキルを強化する。
新たなスキルを取得する。
今回は保留する。
この3つだ。
ミティの既存のスキルを強化するならば、どれが良いだろうか。
槌術と腕力強化は、スキルポイントが不足しているため、今回は強化できない。
MP回復速度強化は、魔法スキルがないため強化しても意味がない。
候補は投擲術か器用強化の2つとなる。
投擲術を強化するのはどうか。
無難な選択だろう。
ミティのパワーにより、破壊力のある投石を行うことができる。
投擲術のレベルを2に上げれば、より精度や威力が増すだろう。
他にも何らかの効果があるかもしれない。
変化球を投げられるようになったりとか、空気の流れを読めるようになったりとか。
さすがにレベル2ではそこまでの効果はないか。
器用強化はどうか。
悪くない選択だ。
ミティの弱点である器用さの補強ができる。
ハンマーの扱いや投擲の命中率などが向上するだろう。
また、鍛冶師への下準備にもなる。
新たなスキルを取得するのならば何が良いだろうか。
鍛冶はどうか。
まだ早計だろう。
鍛冶に関する下準備が整っていない。
鍛冶をできる環境も、ミティのステータスもまだまだだ。
肉体強化や体力強化はどうか。
悪くはない選択肢だ。
西の森が閉鎖されていなければ、優先して取得していただろう。
日々の狩りに有用なスキルだ。
ゾルフ砦への遠征も控えているし、取っておいて損はない。
風魔法はどうか。
良さそうな選択だ。
戦闘の幅が広がる。
しかし、よくよく考えてみれば、鍛冶や風魔法を突然できるようになって、ミティに不審がられないだろうか。
いや、鍛冶はまだいい。
ミティも村にいたころは、多少の練習をしたことがあるそうだし、村では大人の鍛冶の様子を見ていたこともあるという。
突然できるようになっても、ギリギリ納得できる範囲内だろう。
実際、槌術を取得したときも、セーフだった。
少しは不思議そうにしていたが。
風魔法の取得は、槌術のようにすんなりと納得してもらえないのではないか。
いくら何でも、練習なしで魔法が突然使えるようになるのは不自然だ。
うーん。
そろそろミティに加護のことを打ち明けようか。
それか、不自然さを減らすために、風魔法の練習を始めさせても良いかもしれないな。
できれば鍛冶もさせたいが、現状で優先すべきは戦闘で役に立ちそうな風魔法だ。
となると、魔法の先生か、魔法の教科書(魔術書?)が必要になる。
手ごろな知り合いは……いないな。
リーゼロッテに水魔法の師匠を頼むか?
いや、俺たちはもうすぐゾルフ砦へ向かう。
スケジュールが合わない。
当面は無理だ。
俺が火魔法を教えようか?
悪くはないが、戦闘の幅を広げるため、ミティには他属性の魔法を覚えてもらいたい。
俺が風魔法を先に取得して、教えるのはどうか。
これが良いかもしれない。
最も無理のない選択だ。
俺が風魔法レベル1を取得するのにスキルポイントを10消費するが、問題ない。
レベル1でもある程度の有用さはあるだろう。
火魔法レベル1は、近距離からの牽制としては使い勝手が良いし、ドライヤーのようにも使用できる。
水魔法レベル1は、飲み水として活用できる。
風魔法レベル1も、何らかの形で役立てることができるだろう。
ファイアーボールと併用して、より高性能なドライヤーとして使えるかもしれない。
戦闘面でも、森のなかで使用する分には火魔法よりも使い易そうだ。
風魔法レベル1がいまいち微妙だったとしても、いざとなればスキルリセットがある。
取り返しのつかないミスということにはならない。
ふむ。
そう考えると、風魔法に限らず、いろいろなスキルのレベル1を取得してみるのもありか?
広く浅くだ。
火魔法と剣術により、ある程度の戦闘力は確保している。
広く浅くスキルを取得し、戦闘や日常生活に柔軟性を持たせるのも選択肢の1つだ。
具体的には何が候補となるだろうか。
治癒術はどうか。
もちろんスキルレベルを3以上には上げるつもりはない。
俺の身の丈に合わないからな。
しかしスキルレベル1か2ぐらいまでなら有りかもしれない。
今までの戦闘で戦闘不能レベルの怪我をしたのは、クレイジーラビット戦での失敗時ぐらいだ。
しかし、ちょっとしたすり傷や切り傷は毎日のように負っている。
これが地味に煩わしい。
治癒術レベル1の効果がどれほどかは分からないが、こういうちょっとした傷だけでも治せるならば、相当快適になる。
他には……嗅覚遮断は要らないな。
スメリーモンキー戦でちょっと気になったが。
視覚強化は有りか。
遠くを視る能力か、夜目か、動体視力か。
どれが強化されるのかは不明だが。
性欲強化は……要らん要らん。
なぜこんなスキルがあるんだ。
話がだいぶ逸れたな。
ミティのスキルの話に戻そう。
今後の方針は、俺が風魔法レベル1を取得し、ミティに教えるということで良いだろう。
教えて普通に取得できるならばそれで良し。
時間がかかるようだったら、頃合いを見てスキルポイントを消費して取得すれば良い。
となると、今回のミティのスキル強化においては、風魔法は強化しない方針で良いだろう。
今回はスキル強化を保留し、次回にまわすのはどうだろうか。
次回のレベルアップ時に、槌術か腕力強化をレベル4にするのだ。
これもまだ早計か。
レベル4のスキルは目立ってしまうだろう。
要らぬトラブルが増えそうだ。
もう少し俺自身のレベルを上げて、ミティを守れるようになってからにしたい。
結論としては、投擲術や器用強化のスキルレベルを上げるか、肉体強化や体力強化のスキルを取得するのが良さそうだ。
どれが良いか更に考える。
鍛冶や風魔法を取得するのはまだ先になるだろう。
また、槌術や腕力強化をレベル4に上げるのもまだ避けた方が無難だ。
つまり、現状でミティのスキルポイントの使い道は、それほど多くない。
今回は投擲術と器用強化の両方をレベル2に上げて、スキルポイントを使い切る。
次にミティのレベルが上がってスキルポイント10が入れば、投擲術か器用強化のレベルを3に上げる、もしくは肉体強化や体力強化のスキルを取得する。
この方針は、なかなか悪くないように思える。
よし、これでいこう。
ステータス操作でミティの画面を開く。
ミティの投擲術と器用強化のレベルを、それぞれ2に上げる。
これで、戦闘力が一段階強化されたことになる。
今後、さらに効率的かつ安定的に狩りを行えるようになるだろう。
レベル9、ミティ
種族:ドワーフ
職業:槌士
ランク:E
HP:72(55+17)
MP:39(30+9)
腕力:140(50+15+75)
脚力:31(24+7)
体力:47(36+11)
器用:23(10+3+10)
魔力:38(29+9)
武器:ストーンハンマー
防具:レザーアーマー
残りスキルポイント0
スキル:
槌術レベル3
投擲術レベル2
腕力強化レベル3
器用強化レベル2
MP回復速度強化レベル1
称号:
タカシの加護を受けし者
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