俺はエクスカリバーを封印するべく、頑張っていた。
何とか乗り切れそうかと思ったその瞬間、エレナの尻に水着が喰い込んでいるのを発見してしまった。
その結果、股間のエクスカリバーが覚醒。
封印されし聖剣が地中深くから飛び出してきて、砂を吹き飛ばしたのだった。
「なっ……!? いったい何事よ!?」
エレナが慌てた様子を見せる。
それはそうだ。
自分が背を向けた途端に、砂が吹き飛んだのだ。
驚くなというのが無理な話である。
「エレナっち! 何かあったんすか!?」
「だ、大丈夫ー? タケシさんのあたりで爆発したみたいだけどー……」
「にゃにゃっ! い、一大事ですにゃ!!」
ルリイ、テナ、サーニャちゃんが駆けつけてくる。
みんな、何が起きたのか把握していないようだ。
……いや、モニカとニムだけは違う。
2人は、俺の股間部が隆起していることに気付いたようだ。
気心知れた仲なので、今さら軽蔑したりはしないと思うが……。
2人共、頭を抱えてため息を吐いている。
「ちょ、ちょっとタケシ! 無事なら返事……を……」
「タケシっちさん! ケガはしてないっす……か……」
「え、ええぇー? は、はわわー……」
「にゃぁ……あぅ……」
エレナ、ルリイ、テナ、サーニャちゃん。
みんな、俺の股間の猛りを目の当たりにして言葉を失ってしまった。
もうすっかり砂が崩れ、俺のエクスカリバーが晒されているのだ。
もちろん水着越しだが、中に何があるかは一目瞭然であろう。
「おほっ……」
俺は見られる快感で、思わず声を上げてしまった。
砂が飛び散る中、美少女たちの前に現れた俺の怒張。
その姿は、まさに天を貫くが如く聳え立っていた。
彼女たちの様子を見る限り、あまりこっち方面の経験はないようだ。
俺の股間をまじまじと見詰めて、顔を真っ赤にしている。
(ふふふ……! これは勝ったな!!)
俺は勝利を確信していた。
完全な事故とはいえ、俺のエクスカリバーを彼女たちは見てしまった。
ここで『変態のカスは、アレまで小さいのね! 所詮はDランク冒険者のザコってところかしら!!』とか言われたら、立ち直れないところだったが……。
幸いにして、彼女たちは絶句してしまっている。
あのうるさいエレナでさえ、口をパクパクさせているだけだ。
このまま、しばらく放置すれば、きっと恥ずかしくて俺のことを変態呼ばわりできなくなってしまうに違いない。
(ふふふ……!)
俺は内心でほくそ笑む。
Dランク冒険者タケシに扮した俺は、これまでエレナたちに強く出ることができなかった。
低ランクの者が強ければ、怪しまれてしまうからだ。
しかし、性的な経験に関して言えば話は別だろう。
顔が並で稼ぎも大したことがない(という設定)のタケシが経験豊富なのはやや不自然とはいえ、絶対にあり得ないほどではない。
少なくとも、タケシが戦闘方面で無双するよりは違和感がないはずだ。
ここで畳み掛けてやるぜ!
「ふふふ……。どうですか? これが俺の解放された姿ですよ」
「あ、あんた……。本当に変態だったのね!」
「そうです。俺は変態です。そして、あなたたちは俺の餌食になるんです」
「くっ……! でも、その状態ではどうにもならないでしょ! 手足はまだ埋まっているんだから!!」
エレナが叫ぶ。
俺のエクスカリバーにより、股間付近の砂は弾け飛んだ。
だが、手足はまだ埋まったまま。
確かに、この状況では俺は何もできないようにも思える。
「ふっふっふ。Cランクのエレナさんでも、こっち方面の知識や経験は不足しているようですね」
「なっ……!?」
「別に、動かなくてもできることはあるのですよ! ――【魔眼発動・クレアボヤンス】!!」
俺は目に魔力を込めて技を発動させる。
これにより、視力が強化されてよく見えるようになるのだ。
クレアボヤンスと言えば透視のことだが、残念なことにまだ透視はできない。
いつか透視ができるようになればいいな、という願望を込めて技名を付けたのである。
「あぁ……。エレナさんの大事な部分がよく見える気がします……。きれいな乳k――おっと、失礼。素晴らしいモノをお持ちで……」
「け、汚らわしい……! へ、変態だと思っていたけど、まさかここまでとは思わなかったわ……!!」
エレナが嫌悪の表情を浮かべて言う。
その冷たい視線がまた、俺のエクスカリバーを刺激する。
俺は身を震わせながら、他の女性たちにも視線を向ける。
「ううっ……! た、タケシっちさん……やっぱりヤバい人だったっす……」
「さ、さすがのわたしもドン引きかなー……」
「にゃにゃ……。でも、にゃぁのことを救ってくれた恩人にゃ……。嫌いにはなれそうににゃいにゃ……」
テナ、ルリイ、サーニャちゃんは引いていた。
……やり過ぎたか。
いつかは、彼女たちも俺の女にしたり、忠義度を上げて加護(小)を付与したりしたい。
あまり嫌われすぎるのもよくないだろう。
「みなさん、すみませんでした。つい暴走して――」
俺が謝罪を口にしようとしたその時。
エレナが凄まじい速度で俺の方に駆け寄ってきた。
「は、速い……! ――ぷごっ!?」
「教育教育教育教育! 死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑死刑!! 教育教育教育教教育教育教育教育教育教育教育教育育教育教育教育教育!!!」
「ぶごごごご! ちょ! や、やめて……!!」
エレナは俺の顔に拳を叩き込む。
さらにそのまま、彼女は何度も殴り続けてきたのだった。
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