【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

1317話 それで俺は言ってやったのさ

公開日時: 2024年3月8日(金) 12:07
文字数:1,676

 俺はリリアンに治療魔法をかけてもらった。

 ほろ酔い状態にまで回復した俺は、そのまま彼女と談笑していた。


「――それで俺は言ってやったのさ。『男には、引けねぇときがある。俺の場合……それは今だ!!』ってね」


「まぁ! そんなことを言われたのですか?」


 リリアンが驚きの声を上げる。

 彼女は興味深そうに俺を見た。


「ふふふ……。カッコいいだろう?」


 このセリフを言ったのは、エリオット戦だな。

 闇の瘴気で暴走したエリオットは、宝物庫から多彩な魔導具を持ち出してから玉座の間を急襲した。

 メルティーネを人質にとり、魔導具『呪鎖』によって俺を弱体化させた。

 特殊な水晶に魔力を込め、海神の化身と呼ばれるアビス・サーペントを召喚。

 さらには魔導具『玉手箱』を使い、未来を前借りすることにより自身を強化。

 国宝の海神剣なんてのも持っていたな。


 そうして圧倒的に不利な状況にされてもなお、俺は引くわけにいかなかった。

 そのときに言ったセリフだ。


「す、すごいです! とても感動しました!!」


 リリアンは目を輝かせながら言う。

 俺は苦笑した。

 いや、実際にカッコいいセリフだとは思うが……。

 いわゆる中二病みたいなセリフでもある。

 そう素直に感動されると、逆に少し恥ずかしい。


「あはは……そうか? まあ、カッコつけたかっただけだよ」


「そんなことありません! 負ければ死の可能性すらある状況で、逃げずに立ち向かわれるなど……。ナイトメア・ナイト様は本当に勇敢な方だと思います!!」


 リリアンはそう言って俺を褒める。

 若干、過大評価のような気もするが……。

 まあ、悪い気はしない。

 俺は少し照れる。


 アイリスやユナあたりなら、ジト目になって『はいはい……』という感じで流すところだろう。

 俺が調子に乗ったときのブレーキ役兼ツッコミ役が彼女たちだ。

 今頃、元気にしているだろうか……。

 共鳴水晶によると順調っぽいが、早めに合流したいところだな。


「ナイトメア・ナイト様?」


「ああ、すまない……少しボーっとしていたよ。それで……どこまで話したかな?」


「はい! 強敵に追い詰められたときに、『男には、引けねぇときがある。俺の場合……それは今だ!!』とおっしゃられたところまでです!!」


「そうだったな……」


 俺はうなずく。

 ちなみにだが、エリオットたちの情報はボカして伝えている。

 闇の瘴気の影響があったとはいえ、あれはデリケートな問題だからな。

 俺がリリアンに伝えているのは、あくまで過去にあった一つの事件という形だ。


 俺は彼女と雑談を続けつつ、ステータス画面をチラ見する。

 そこには、加護(小)を満たしたリリアンのステータスが表示されていた。



レベル?、リリアン=アシェンプテル

種族:人魚族

身分:平民

役割:第一治療岩責任者

職業:ーー

ランク:ーー


HP:??

MP:高め

腕力:低め

脚力:??

体力:??

器用:??

魔力:??


残りスキルポイント:???

スキル:

治療魔法レベル4(3+1)

??



 彼女は平民である。

 だが、その治療魔法の腕前から第一治療岩の責任者となっている。

 人魚の里における身分制はよく知らないが、そこらの下級貴族と同じくらいの影響力はあるだろう。

 それもこれも、リリアンの努力の成果である。

 さらに加護(小)の恩恵で治療魔法のスキルレベルが上がっているし、さらなる活躍に期待できそうだ。


「リリアン、これからも治療の仕事を頑張ってくれ。人魚の安全は、君が背負っているといっても過言ではないからな」


「ありがとうございます。ナイトメア・ナイト様にそう言っていただけると自信がつきます!!」


 リリアンは微笑む。

 こうして俺は、彼女とパーティーを楽しんでいく。


「では、そろそろ他の人にも挨拶してくるよ。また後で会おう」


「はい、お待ちしております!」


 俺はリリアンと別れ、パーティー会場内を歩き出す。

 次は誰に挨拶しておこうかな?

 メルティーネたち王族を除けば、もう一通りの参加者には挨拶したような気がするが……。


「おうおう! 俺たちも一言、挨拶させてくれや!!」


「このままオサラバじゃ、腹の虫が治まらないんでな!!」


 そう言って絡んできたのは、屈強な体格をした男たち。

 ふむ。

 彼らは……。

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