1週間ほどが経過した。
配下の者たちは、元気に働いてくれている。
おかげさまで西の森の開発は順調だ。
そして、ミティ、アイリス、モニカの経過も良好だ。
今日も3人で楽しげに会話をしている。
「このお菓子、すごくおいしいですね!」
「ふわあぁ~! 甘い香りが漂ってくるねー!」
「これはカステラという食べ物だね。遠方の料理らしいけど、練習してつくってみたんだ」
ミティ、アイリス、モニカがそう言う。
妊娠中なので激しい戦闘訓練や危険な魔物狩りはご法度だが、お菓子作りぐらいであれば問題ない。
メイドのレインやクルミナ、見習いのロロやリンにも手伝ってもらいつつ、モニカは適度に料理をしてくれている。
ミティやアイリスも、自分の好きなことを無理のない範囲で日々こなしている。
「こ、これはおいしいですね! はぐはぐ!」
「マリアも好き~! おいしいよ!」
ニムとマリアからも好評だ。
「ふふ。ニムちゃんもマリアちゃんも、可愛いな……」
モニカがしみじみとそう言う。
「そうだねー。子どもは宝だよ」
アイリスがそう同意する。
ニムとマリアの戦闘能力は抜群なのだが、やはり精神的にはまだまだ子どもだ。
お菓子をおいしそうに頬張っている姿を見ると、そんなことを感じてしまう。
「むっ! わたしはもう子どもじゃありませんよ! 結婚だってできる年齢です! タカシさんとだって、もうすぐ結婚するじゃないですか!」
ニムが少し怒ったような口調で言う。
「マリアもだよっ! マリアの国では、もう結婚できる年なんだから!」
マリアがそう主張する。
この年頃の少女を子ども扱いするのは、少しマズかったようだ。
「わかった。2人とももう大人だったな」
俺はそうフォローしておく。
俺はニムと婚約済みだ。
マリアにも、バルダインとナスタシアに相談した上で結婚を申し込むつもりだ。
まだ少し幼いが、二人とも俺の将来のハーレムメンバーなのである。
しっかり愛してあげないと……。
「わ、わたしが大人だと認めてくれるのですね!」
「わあい! マリアも大人だ!」
二人が喜ぶ。
そういう反応が子どもっぽいというツッコミはしないでおこう。
そんな感じで、日中は穏やかな時間が過ぎていった。
●●●
そして、夜になった。
俺の夜はスケジュールが詰まっている……のは、少し昔の話だ。
ミティ、アイリス、モニカが妊娠している今、俺の夜のスケジュールは空きが多い。
数日に一度、ユナやリーゼロッテと愛し合うだけである。
ユナはそこそこスキもので野外プレイを楽しむことが多いのだが、リーゼロッテはやや控えめである。
室内でおとなしいプレイをするにとどまるし、頻度もさほど高くない。
まあ、彼女の豊満な体はそれだけで俺に興奮と満足感を与えてくれるのだが。
そういえば、ルクアージュからラーグの街に帰ってきてから、ミリオンズ各位のレベルは上がっている。
それぞれ好きなスキルを伸ばしている。
今度、改めて全員のステータスやスキルを整理しておこうか。
そしてもちろん、俺のレベルも上がっている。
今回俺が取得・強化したスキルはいくつかあるが、その中の一つが精力強化だ。
これは文字通り、精力を強化するものである。
俺は普通の人よりも女好きである自覚があるが、さすがに何人ものハーレムメンバーを毎日のように相手するのは限界がある。
自分で蒔いた種なので自業自得ではあるのだが……。
そろそろ人数を絞っていくのもありではあるが、加護付与スキルを駆使して世界滅亡の危機に立ち向かうためには、やはりハーレムはどんどん拡張した方がいいだろう。
そこで取得したのが、精力強化なのである。
これにより、俺の夜の戦闘能力は格段に強化された。
さらには、夜戦術というスキルも取得した。
夜目が効くようになるスキル……ではない。
もちろんその可能性も考慮しつつ取得したスキルではあるのだが、実際の効力はベッドの中のテクニックが向上するというスキルだった。
精力強化と夜戦術の二大スキルにより、俺の夜の戦闘能力はもはや敵なしだと言っていいだろう。
妊娠が発覚する前までは、ミティ、アイリス、モニカにも大満足をしてもらえていた。
それはいいのだが、彼女たちと一時的に交われなくなった今、俺の精力は有り余っている。
「もうすぐで1か月か……」
懐妊が発覚してからの期間だ。
これまでよく我慢した。
しかし、そろそろ限界だ。
新たな発散先を探す必要がある。
ラーグの街には、数は少ないが夜のお店もある。
そういうところの世話になるのもやぶさかではないのだが、貴族の俺がそういった店の女性をはらませてしまうと大問題になる可能性がある。
発散は身内で済ませたい。
ミリオンズの構成員は、ミティ、アイリス、モニカ、ニム、ユナ、マリア、サリエ、リーゼロッテ、蓮華である。
このうち、ミティ、アイリス、モニカは妊娠中なので除外。
ユナとリーゼロッテとは定期的に楽しんでいるが、今以上に負担をかけるのは少し申し訳ない。
ニムとマリアはまだ幼い。
残るはサリエと蓮華だ。
しかし、サリエは男爵家次女として、なかなかの貞操観念を持つ。
蓮華はミリオンズのメンバーではあるが、ハーレム入りはしていない。
困った。
手を出せる人がいないではないか。
俺がこんなことを考えて悶々としている間にも、精力はどんどんたまってきている。
「このままではマズイぞ……」
俺がそんなことをつぶやいた時だった。
コンコン。
俺の寝室のトビラを誰かがノックする音が聞こえてきたのだ。
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