【コミカライズ】無職だけど転移先の異世界で加護付与スキルを駆使して30年後の世界滅亡の危機に立ち向かう

~目指せ! 俺だけの最強ハーレムパーティ~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

942話 お前も○にならないか?

公開日時: 2023年2月24日(金) 12:25
文字数:2,042

 温泉に突撃したタカシ。

 そこでは、聖女リッカが入浴中だった。

 当然のごとく激怒した彼女だったが、ここで予想外のことが起こる。

 それは、タカシが彼女に惚れ込んでしまったことだ。


「素晴らしい……。素晴らしいぞ……」


 守備範囲の広い彼にとって、外見年齢10歳前後のリッカはストライクゾーン低めに入っている。

 見た目通りの少女であれば、彼もアプローチを自重したことだろう。

 しかし、リッカの実年齢は高い。

 タカシはその事実を知らないとはいえ、戦闘中のやり取りで何となく察していた。


「リッカ……。お前への提案なのだが……」


 タカシが厳かにそう切り出す。

 ちなみに、一歩出遅れたミティとアイリスは傍らで成り行きを見守っている。


「な、何です?」


 顔を赤くしたリッカがそう聞き返す。

 彼女は聖女として、非常に強固な貞操観念を持っている。

 その上、ずば抜けた戦闘能力を併せ持つ。

 これまでの彼女の人生で、異性から具体的にアプローチされたことは皆無であった。

 ましてや、入浴中に突撃してきた全裸の男から言い寄られるなど、さすがのリッカと言えども平静でいられるはずがない。


「お前も妻にならないか?」


「ふへっ?」


 突然のタカシからのプロポーズに、変な声を上げてしまうリッカ。

 まさかの発言を受けて混乱する彼女を他所に、タカシはさらに話を続ける。


「戦えば解る。お前の実年齢は20歳以上だな? その肉体……練り上げられている。至高の領域に近い」


「……ッ!? ぼ、僕様ちゃんは聖女。聖女リッカです。不埒な目で見るなです……」


「リッカ。お前は桁違いの戦闘能力を持ち、治療魔法にも長けている。……それなのになぜ、さほど幸せそうでもなさそうな顔をしている?」


「……ふぐぅ。だ、だって、無辜の人々が魔物の脅威に晒されているですから……。僕様ちゃんだけが幸せになるわけには……」


 タカシの問いに、小さな声で答えるリッカ。

 そんな彼女に、タカシは優しく微笑みかける。


「そうだ。お前が聖女だからだ。義務感から孤独に戦っているからだ。全て救おうとすれば、どこかで必ず無理が出る。……俺と共に歩んでいこう、リッカ。そうすれば、より多くの人々を救うことができる」


「うぐぐっ! む、無茶言うなです! 僕様ちゃんは聖女です! お、おいそれと承諾できるわけないでしょうがぁ!」


 顔を真っ赤にしながら反論するリッカ。

 そんな彼女に構わず、タカシは続けた。


「そうか……。俺はお前が欲しいが……仕方がないな。今日のところは諦めるとしよう」


 彼はそう言うと、ゆっくりと湯船に浸かった。

 そのまま目を閉じ、気持ちよさそうに息を吐く。

 そんな彼を横目で見ながら、リッカがポツリと呟く。


「……お、お風呂に入ってるときまで戦う必要はないです。お、大人しくしていれば、一緒に入ってやるですよ……」


「本当か!? よしっ! 俺は大人しくするぞ! 大人しくするとも!!」


 喜び勇んだタカシが、勢いよく立ち上がる。

 その際に、彼の股間がチラリと見えてしまったリッカが慌てて目を逸らす。


「な、なぜです……!」


「ん?」


「どうして大きくしているです!? こ、こんなときに盛ってるんじゃないですよ!!」


 顔を真っ赤にして叫ぶリッカ。

 そんな彼女に、タカシが言う。


「これは男の生理現象だ。気にするな」


「気にするです! ぼ、僕様ちゃんみたいな子どもをそういう目で見るなんて……! 変態です!!」


「いやいや……先ほども言ったが、お前の実年齢は20歳を超えているだろ? つまり、俺はセーフだ」


「アウトに決まってるです! 聖女の呪いで成長が止まった僕様ちゃんを見て興奮するやつは、変態の中の変態なのです!!」


 真っ赤な顔で抗議するリッカであったが、タカシはどこ吹く風である。


「落ち着けって。美しい顔が台無しだぞ? ……幼い外見とはいえ、それほどの美貌を持っているんだ。今までに言い寄られたこともあろうだろうに……」


「直接言われたことはないです。何も知らない貴族が、教会側経由で根回ししようとしたことはあったですけど……僕様ちゃんの実年齢を知ったら、みんな逃げていったです」


「へぇ? そんなことがあったのか。情けない貴族どもめ」


「君も、きっと同じことになるです。僕様ちゃんの実年齢は……」


 リッカがタカシに実年齢を伝える。


「なるほどなぁ……」


 納得したような素振りを見せるタカシ。

 そんな彼に、リッカが続けて言う。


「どうです? 下手をすれば、君の母親くらいの年齢かもしれないです」


 そう言って自虐するような笑みを浮かべるリッカだが、タカシは特に動じていないようだ。

 それどころか、平然と言ってのける。


「いや、別にどうとも思わないな」


「なぬっ!?」


 驚きのあまり固まるリッカを尻目に、タカシは彼女に近づいていく。

 そんなタカシに対して、リッカは身構える。


「言葉ではどうとでも言え――。なっ!? どうしてまだ大きくしているですか!?」


「ふっ。俺はタカシ=ハイブリッジだ。ロリコンとマザコン、両方の性質を併せ持つ」


 堂々と宣言するタカシ。

 そんな彼を見ながら、リッカはさらに顔を真っ赤にするのだった。

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