人類戦線

さむほーん
さむほーん

第十九話 再結成

公開日時: 2021年2月3日(水) 07:45
文字数:2,165

敵の敵、かぁ……


色々言われても僕的にはあんまりピンとこないんだよな……


それにしてもあの後城崎が行った言葉のほうが僕には衝撃的だった


だって、

「神柱、そろそろ須斎とのペアを組んで準備をしておけ」


だよ。


いや、たしかにもともとペアは組んでて葉狩戦で須斎の役割が重要だからペアを解消した感じだったけど


あれ?よく考えるとこの状態が本来のものって言えるのかな?


まあいいや、久しぶりに速攻奇襲が出来るし


「神柱、今回の作戦の目的が決まったみたいだ」


あ、須斎


でもここ一応僕が寝るために確保してもらった所


つまり、プライベートスペースなんだけど……


「それで、目的は?」


寮に奇襲をかけるにしても二人というのはちょっと不安なんだけど


「偵察らしい」


それ、僕いる?


いや、須斎が偵察に必要なのは分かるよ


隠蔽なんて、偵察に使えば色んな所から情報が取れて便利だし


でも、僕いる?


「それ、別に僕じゃなくて弘岡とかでもよくね?」


僕の護衛能力なんてたかが知れてるぞ


「どうやら、聖によるとお前が一番遠くからの護衛に向いているらしい」


「遠くからの護衛?なんでそんなこーー


いや、待てよ


たしか今回の任務は偵察だったな


つまり、見つからない必要がある


だが、須斎が隠せるのは自分自身だけ


そうなると護衛は近くに居てはならない


だが、護衛だからいざというときにはすぐに援護する必要がある


今のところうちの勢力で遠距離攻撃ができるのは城崎だけ


だが、総司令官であるあいつがそうそうかんたんに出ていくわけにはいかない


そうなると、僕か弘岡の二択となる


今回の生徒副会長戦では新しいメンバーは増やさないと言っていたしな


弘岡は機動力に優れていない


いや、優れているんだが専門とも言える僕には敵わない


そう考えると、護衛は僕一択となるわけか


「じゃあ、仕方ないのか」


「???まあ、神柱が納得したのなら良いんだが……」


全部脳内で考えていたから須斎には急に意見を変えたようにしか見えなかっだろう


まあ、脳内で考えたと言っても加速状態を使って思考速度を実質的に加速したんだが


この刀、汎用性あるな


「そういえば、細かい作戦とかはどうするの?」


「ああ、それは私達で決めてこい、と」


なるほど


「じゃあ、丁度いいし作戦会議でもしようか」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


よしよし、大分決まってきた


「じゃあ、私の偵察位置がここで神柱が私を視る位置はここだな」


「うん」


ここなら寮からは完全に死角になるはずだ


「不味そうだったらすぐに姿を現してね。あと、姿を現したらその時点で作戦失敗って考えるから」


「わかっているさ」


よし、これで後は時間帯を決めるだけだ


「やはり、夜のほうがいいか?」


「さっき城崎にも聞いてきたんだけど、相手は多分昼も夜も警備のレベルを変えないって」


それが1番の得策らしい


「だから、まだ僕が須斎を見やすい昼のほうがいいと思うよ」


「なるほど」


敵がなんの変化もないならリスクを下げたほうがいい


というか、そもそもそういった警備の時間帯による差とかを知るための偵察だと思うんだけど


「じゃあ、明日の午前10時に神柱の部屋に行くから、それで」


「了解、午前10時ね」


あ、そういえば


「昼ごはんとかはどうするの?」


「ああ、おにぎりを持っていこうと思っている」


おにぎりか


たしかにそういう携行食のほうがいいな


偵察だから何時に帰って来れるかもわからないし


「じゃあ、また明日な」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


取りあえず明日の予定は立てれた


時間も余ったし、後回しになっていたあの眼について調べていきたいところだ


まず、目に入った新生物についての情報をおさらしいておこう


まず、これは本当に装備なのか、というところだ


今のところ、自律で動く装備は見つかっていない


だが、これは見つけてすぐに僕の目に入ってきた


あれから目を触っても何の反応もない


一体これは何なんだ?


そして、この生き物がどんな能力を持っているのか、だ


正直これが一番大事なんだが


最初につけたとき、完全に取れたはずの僕の目がくっついていたらしい


このことから、「再生」なのかともおもったが、普通に血が出ていたみたいなのでその線は薄いだろう


だとすれば一体何なのか


他人の目を集める装備だとしても、その使い道がわからないし


身体中に目を付けられるんなら死角が無くなるからまだ使えるけど


もしスロットみたいな形で集めるのだとしたらそれこそなんの意味があるのだろうか


視界の広さは変わらないのに


もしかして、魔眼型の装備をがあってそれを集めるためなのかな


でも、まだ魔眼型の装備なんて見てないし


でもそれが一番ありえそうなんだよな


はぁ、よく分からなくなってきたな


装備の能力が一発で分かる装備があればいいのに


まあ、そんなの敵が持ってれば発狂モノだけど


でも、無い物ねだりしてもなんの意味もない


それを探すのは当然するとして、今は自分の持てるものを最大限に活かせる準備をしないと


さっきから右目に力を入れてるが、なんの変化もないのでこの眼は「持てるもの」から外させてもらうけど


……いまは午後6時、予定の時間まであと16時間か


朝8時に起きれば任務には間に合うだろうし


少しだけ刀を振ってから寝るか


そう考えて僕は座っていたベッドから立ち上がり、腰につけてある刀を抜いて



さっきから部屋の中を飛び回っていてブンブンうるさい機械ムシを二つに切った

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