5人撃破
これで結構奥まで入れそうだな……
僕はあくまで囮であって、相手の中心の人を倒す本命では無い
だから、奥に進むことよりも邪魔をしてくるやつを倒すことを優先して少しずつ進んでいる
須斎は今頃どのあたりまで進んでいるんだろうか……
僕が進むスピードを上げて早くフォローに行った方が良いんだろうか
よし、急ごう
「つっても、鉄の扉は開けられないんだよな……」
何で事務職の人等が集まる官邸にこんなに重い扉が有るんだ?
刀じゃ切れないでしょ、これ
いや……待てよ
何時だったか、人の首を切ったとき、その首から全く血が出ていないことがあった気がする
確か、その切り口が焼けていたんだっけ?
そもそも、普通に考えたら何となくで刀を振っている僕が人の首の骨を切れるわけがない
高温にまで熱して柔らかくなっていない限りは
それがどのくらいの高温なのかは分からないけど、もしかしたら鉄の扉くらいは切れるかもしれない
そう思って、刀に意識を集中させてから、扉と壁の接続部分に刃を入れた
すると、僕の思っていた何倍も簡単にスルッと切ることが出来た
しかも、切り口の表面がドロドロしている
「うわ……かなり熱いんだな、これ」
ゆっくりと切り口を眺めていると、遠くから声がした
「なんかこっちの方らしいな」
声が聞こえる?今は加速状態なのに?
「ってもあの上司、ちょっと連絡が遅れてるくらいでわざわざ確認に行かせるってやりすぎじゃね?せっかくトラブルの起こりにくそうな場所を選んだのに、これじゃあ仕事が増えちまうじゃねぇか」
「おい、警備なんだからちゃんと見回りはしろよ」
「分かってるって」
声からすると二人が来ているみたい
何回か抜刀してみるもののの、効果が現れる様子は無い
まずいな……しかも、何故か刀身が熱くなっている
あ、もしかしてもう既に加速状態なのか?
じゃあ一旦解除してから抜刀するか
(解除)
(抜刀)
すると、既に近くに来ていた二人の歩みが止まった
……よし、ちゃんと加速状態には持っていけたみたいだな
じゃあ、先にこの二人の戦闘能力を奪っておこう
ということで、取り敢えず固まっている二人の頭や首をかなり念入りに蹴っておいた
もしかしたら首の骨が折れてるかもだけどそこは放っておこう
さて、それにしてこの扉の奥には一体何があるのか
こういう扉って銀行の大きな金庫くらいでしか見たことが無いから、どういうところに使うのかがいまいち分からない
とても牢獄以外で人が居るところにつけるような物じゃないような気がするんだけど
よっぽど危険なものか、それとも大事なものがあるのかな?
あんまり官房長官とか政府の高官が居そうな場所では無いんだけど
まあ、入ってみよう
「……結構広いんだな」
これじゃあ金庫じゃ無くて一つの建物としても成立しそうだ
「……っと、そうだ。もうちょっと内側の方も調べておこう」
奥に進むと、階段が有った
階段か……降りてみたい気もするけど、一旦解除してからだな
もし何か仕掛けが有っても加速状態のまま戻ってこれるくらいの時間の余裕が欲しい
(解除)
よし、これで一度解除したから十分に時間を使える
(抜刀)
この奥には何があるのかな?
――――――――――――――――――――
後一部屋で幹部の個室に辿り着く
人を倒すとバレル可能性があるから極力人は倒さないように進んでいるが、今のところは成功しているようだ
するとその時、耳を劈くようなサイレンが鳴り響いた
「ん?何だ?」
そう言ってから慌てて口を塞ぐ
余りにも驚いたため、少し声を出してしまったがバレなかったようだ
しかし、サイレンとは……
私のことか?何かのセンサーが反応してしまったのか?
「こっちだ!」
「何か今日トラブル多くね?!官房の方も色々あるらしいし!」
何人か警備員が走ってる音が聞こえる
場所は……ここらは少し遠いか?
いや、逆側からも来た
私が標的では無いようだし、これは一度ここに留まってやり過ごした方が良さそうだ
だが、これは逆にチャンスかもしれない
敵が一か所に向かっているということは、こちら側が手薄になるということだ
もう少し時間が経って人が少なくなったらさらに奥に進んで幹部の部屋に入り込むのも良いかもしれない
「じゃあ、ここは頼んだぞ!」
「おっけーです」
そういった会話が何箇所かで行われるのを待ち、十分に時間が経ったと判断すると私は自分の隠れている部屋の窓から首を出した
本来、隠密行動で首を出すなど何を考えているんだと言いたくなる行為であるが、私の場合、視覚では捉えられないので問題は無い
……見たところ、隣の部屋まで警備とぶつかりそうな場所は無いようだ
なら、音を出さないように気をつけながら少しずつ進んでいくか
窓は使わず、直接ドアから出た
(よし、気付いていない)
靴下のみで来たおかげで足音もかなり抑えられている
何故かは分からないが、カメラにも映らなくなるこの「服」も音だけは防ぐことが出来ないらしい
万が一にも滑って大きな音を出すことのないように体全体を地面につけて移動する
そうして匍匐前進に近い体制で少しずつ近付いて、ドアの前にまで来た
そして、ドアの前にいる警備員にクロロホルムを「飲ませた」
少し無茶をしたが、これでこの部屋に入りやすくなった
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