人類戦線

さむほーん
さむほーん

第四十八話 対処

公開日時: 2022年5月24日(火) 16:00
更新日時: 2022年5月29日(日) 05:48
文字数:2,073

この部屋、だったよな……


見事に内装がぐちゃぐちゃにされている


爆弾の威力は思っていたよりも強力だったようだ


なら、中にいる人は大丈夫だったのかな?


見たところ、誰もいないけど……


さっき爆発してからずっと加速状態で歩いてきてるから僕の体感時間では十数分経っているけど、実時間としては十秒もたっていないだろう


そんな短時間で移動できるとは思わないから、多分本当に吹き飛ばされたんじゃないか?


だとしたら、他の勢力が仕掛けた罠だっていう可能性が上がってきたな


まあ今はそれも重要だけど、相手のボスの居場所の特定の方が優先だ


居場所……居場所か……


どこにいるんだろう?


先に須斎を探して一緒に相手のボスを探したほうが良いかな?


じゃあ、須斎のことを探しに行くとしよう


一応部屋の中も見ておいて……と


特に気になることは無さそうだけど


じゃあ、ちょっと外を探してみよう


その瞬間まで、僕は足元に迫ってきている銃弾に気付けなかった


(え?)


足に痛みが走り、僕の思考が動きを止める


え?何?何か当たったの?!


足を見てみると、少し何かが掠ったのか血が出ていた


幸いにも、大きな怪我にはなっていないみたいだけど……


今の状態で攻撃を喰らい過ぎると動けなくなる


まず、どこから撃たれたのかを確認しないと


足に入っている傷の方向から確認しようとするが、既に足の場所を大きく移動させており、それが難しいことに気がつく


ならば、せめてこれから新しく攻撃を喰らわないように周囲の様子を注意深く観察する


これは……既にかなり撃たれてるな……


周りに銃弾が通った跡らしき煙や弾痕がたくさん残っている


今まで当たらなかったのが奇跡と言えるレベルだ


でも、たくさん見えたから大体の方向は分かった


向こう側か


そっちの方を警戒しながらゆっくりと進む


いや、銃撃を警戒するならある程度スピードを着けた方が良いのか


そう思って僕は今の状態で出せる全力のスピードを出す


走ったりは出来ないが、速歩きらしきもので進んでいく


ひとまず、周りから見えにくい場所までは移動できた


じゃあ、ここから須斎を探し始めよう


どちらに行くべきか迷って、右を向くと、そこには見知らぬ男が居た


いや、僕はこの人をさっき見たから見知らぬ、というのは間違いだろうか?


先程須斎を捕まえていた男がそこに立っていた


――――――――――――――――――――


ハァ!?誰だよこんなに吹っ飛ばしたやつ!


絶対に許さないからな!!


クソが……今はそれよりも今後の対処が優先だ!


司令室に戻って全体の動きを把握しねぇとこっちの統制が取れなくなって終わっちまう!


目を瞑って、周りの状況を確認する


少なくとも、進行方向上に他の人間は居ないようだ


「じゃあ、速く向かおう」


ようやく落ち着いて、まっすぐ歩き出すと、すぐさま……誰かが僕を後ろから殴った


それも、かなりのスピードで、だ


(誰だ!少なくともさっきは周りに人は居なかった筈だ!)


隠れていたのか?


いや、それは無い


僕の装備を使えば五感どころか熱探知サーモグラフィーや赤外線探知ごまかす物ですら把握できる


それで探して居なかったのだから本当に居なかったのだろう


ならば、相手は高速移動可能ということだ


高速移動持ちには……


僕は地面に強烈な見た目の棘を置いた


置き技が速い相手に効くのは有名な話だ


まぁ、流石にそんなに簡単には引っ掛からないだろうが


そう思っていると、相手の動きが止まった状態で相手を発見した


どうやら、左足を抑えているようだ


これは、まさか引っ掛かったのか?


「あの……出来れば見逃して貰えませんかね……?」


そんなことを言っている


「悪いが、その気は更々ない」


「ま、そうでしょうね〜」


相手が常軌を逸したスピードで転がり、場所を大きく変える


その直後、先程まで相手が居た場所に僕の足が突き刺さった


すぐさま、もう片方の足を相手の左足を踏むように叩き降ろす


少しだけ掠ったが、相手の動きを止められるほどのダメージは無いようだ


相手に近付いて話を聞く


「少しだけだが弁明の時間をやる。なぜ俺を殴った?」


「いやいや……殴ってませんって……」


「そうか。じゃあ死ね!」


左の腰につけているバットを相手の頭に向って振り下ろす


相手の頭に当たったような感触があるが、相手は普通に立ったままだ


床がめくれ上がって相手の頭を守っていた


「何だ?これは」


僕がそう言った時には相手はもう居なくなっていた


相手を追いかけたいところだが、それよりも先に状況を把握する必要がある


床、か。体制を刷新するときに変な仕掛けが無いかを確認するため、一度建物を丸ごと建て替えたんだがな……


まだ仕掛けが有ったか、その後に仕掛けを追加したか、ということになるのか


しかし、あそこまで調べたものでまだ見つかっていなかったものがあったとは考えにくい


つまり、後から設置された仕掛けということだろうな


工事業者など入れていないんだが、一体どうやって設置したんだ?


「まあ、今はそれよりも優先することが有るか」


目の前の異常事態をどうにかする方が優先だ


もしかすると360°敵に囲まれてしまったということになる


今すぐここから脱出しないと


「拠点を捨てるのは嫌なんだがな……」



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