人類戦線

さむほーん
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第二十七話 検査準備

公開日時: 2022年9月23日(金) 16:00
文字数:2,087

「朝だ」


研究所で眠って一晩が経った


今日もなにか検査されるのかな?


だとしたら、僕の方も少し準備とかしておかないと


まあ、準備って言っても心の準備以外は特に思いつかないんだけど……


まあ、しないよりはマシでしょ!


何かヤバい検査を受けることになったときに、そう心構えをしておくのとしていないのではスムーズさが全然違うだろうし


「よし。じゃあ早めにご飯を食べておこう」


とは言っても、研究所にある食べ物は栄養ゼリーやガロリーメイトといった物が中心だ


研究者は皆こんなのなのか、それとも、ここに居る人達が異常なのか……


まあ、ガロリーメイト美味しいから良いけどさぁ……


口の中が少しパサパサする感覚を味わい、次のことを考える


検査が終わってからは何をしよう……?


まあ、結局は院に帰ることになると思うんだけど……


それまで何をするか、だね


「うん。やっぱり聞いてみよう」


もしかしたらまだ寝ているかもしれないと思って声をかけるのを遠慮していたけど、やっぱり一度確認しよう


隣の部屋に入って、布団の中に居る所長に声をかける


「……まだ寝てるな」


でも、時間はもう七時を回っている


所長が普段何時に起きているのかは知らないけどそろそろ起きたほうが良いんじゃないだろうか?


「あの〜。時間、大丈夫ですか〜?」


肩を揺すって起こそうとする


中々起きないから、強制的に布団から引き摺り出してそれから肩を揺らす


「……ん?……ああ、朝か……。待て、今何時だ?」


起こしてみると、所長は少し焦っているようだ


時間を気にしているみたいだから、何か実験の途中だったりしたのかや?


「大丈夫ですよ。まだ七時半にもなってませんし」


「……そうか、なら、まだ間に合うか」


そうして朝食も食べずにパソコンを取り出す


「いやいや……朝ごはんくらい食べましょうよ……」


集中力出ませんよ?


「ああ。私は装備品の関係で今日は夜まで食事を取らなくても大丈夫だからね」


へぇ……そうなんだ


というか、この人の装備ってなんなんだろう?


まあ、話を聞く限り代謝の効率が物凄く良くなる系統の物なのかな?


種類としては聞いたことが無いけど


「ところで、それ、何ですか?」


普段は他人のやっていることをわざわざ聞いたりしないけど、起きてすぐにパソコンに向かいだしたら流石に気になる


「ああ。論文の草稿を書いているんだ。今日君に行う検査で必要なデータがおおよそは揃うだろうから、今のうちにある程度は書いておこうと思ってね」


論文かぁ……


まあ、あれ独特の書き方とか有るって聞くしね……


そういう悩みとかも有るのかな……?


「まあ、だとしたら僕の検査も必要みたいですね。」


じゃあやっぱり準備をしておかないと


「何か僕が事前にやっておかないといけないことって有ります?」


先に準備できることが有れば言ってほしいな


「準備、か……あまり思いつかないな……強いて言うなら、あまり血行を良くしすぎないで居てくれ。データが乱れる可能性が否定できない」


その後、絶対に怪我をしないようにと付け加えた


僕が怪我をすることによるデータの予想値とのズレは無くしておきたいみたいだ


「でも、そこまで加味したデータを集めた方が良いんじゃ無いですか?」


「そんなことをしていると、先に他の研究所の論文が完成していしまうだろう?」


なんだろう……研究っていう分野の闇を見た気がする……


「そうなんですか……まあ、僕はそのあたりのことに口を出したりはしませんけど……あんまり露骨なことをするのは避けたほうが良いと思いますよ」


そういった行為っていうのは城崎とかもよくやるけど、あんまりやりすぎると周りから反感を買いそうだからね


「??……何のことを言っているのか分からないが……まあ、分かった。それはそうとして、今から検査に協力して貰えるか?」


あ、気付いて無い感じか……


まあ、それならもう良いか……


「あ、はい。大丈夫ですよ。今日は何をするんですか?」


「今日は少し細胞の変化を見てみたい。少し時間はかかるが、そこは覚悟してくれ」


時間がかかるのか……


まあ、そこはもう仕方が無い


受け入れよう


「分かりました。じゃあ、どこの部屋に行けば良いのかだけ教えて下さい」


「ここだ」


そう言って、地図の中のある部屋を指さした


そこは、僕が以前研究所を警備代わりに巡回した時、変な相手と接触した場所の近くだった


「ここ……ですか……」


何とも特別な場所を選んだものだな……


僕にとってはの方の装備が初めて使えた場所だからね……


そう言えば、あの目はどういう効果なんだろう


「ちょっと本筋から逸れるかも知れませんけど、聞いて良いですかね?」


そう言って、僕の目に入っている装備について新生物のことから話してみた


「なるほど……生物、しかも自律移動が可能……それは今まで聞いたことが無いな。取り敢えずは例外として書いておくか」


論文を少し弄って修正したみたいだ


僕としては一応例外の方も調べた方が良いと思うんだけど……まあ、これはさっきも言ったから別に良いか


「よし、これについては後でまた考える。それはそれとして、検査を始めるぞ」


僕たちは研究の仕上げとなる検査のためにその部屋へと向かった

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