人類戦線

さむほーん
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第二十五話 全身鎧化

公開日時: 2021年2月22日(月) 07:42
文字数:2,099

「あれ?君一人なんだ。思ったより足止めって難しいな。最低二人はしてこいって言われたのに。これじゃあどやされそうだよ」


「残念だけど、このままではあなたは怒られる」


そう、なぜなら


「あなたは私を足止めできず、先に進ませてしまうから」


「あ、それは大丈夫だよ」


相手がそういった瞬間、地面が溶けて足が埋まった


(これは……)


間髪入れずに地面が固まり、足を拘束される


「僕、これでも足止めは得意だから」


この能力、さっきの現れ方、多分こいつの装備は


「融解と凝結?」


「いや、流動化のほうが近いね」


話させろ


情報を引き出すのもそうだけど、「あれ」を使うには少し時間がかかる


「流動化だから粒子レベルの話じゃない。これはこれでメリットがあってね。粒子レベルで固体を流動化させるとどうしても熱が生まれるんだ」


よし、随分集中できてきた


もう少しでできそう


「でもこんなふうに物質レベルにしてしまうと余計な熱が発生しない。そして良いも悪くも密度が変わらないんだ。状態変化じゃないからね」


あと数秒で


「あ、念の為に埋めとかないと」


そして私の下の地面は再び溶けた


当然、私の体は重力に従って沈み込む


そのまま、首だけを残してほぼ完全に埋まった


「ふう、これで完了。早く残りの二人の方に向かったほうがいいのかな?」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「ねぇ、城崎。弘岡で足止めって正直不安なんだけど」


あいつの装備って特攻向きじゃん


「お前、今日の潜入のときの防御で俺が弘岡を戦力に数えたのは覚えてるか?」


あ、そういえば


あの時はスルーしてたけどなんでなんだろう


「あいつは自分の中心から半径およそ1mまでのものならすべて硬化できる」


「でも、それって直接戦闘にはあんまり関係なくない?」


「いや」


城崎の頭の中では繋がっているらしい


「全てというのはあいつ自身の皮膚や骨も含む」


そういえば最初に共闘したとき、指を硬化させてたなー


「そして、筋繊維の結びつきもな」


「つまり、肉体強化ってこと?」


だったら戦闘には影響があるな


特に、近接戦では


「だが、変な名前はつけなくてもいいとは思ったがな」


「え?なになに?!名前あるの?!」


それは面白そうだ


「確か……」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


バキンッという硬い音とともに私は解き放たれた


「え?」


全身鎧化フルアーマー


よし、コンクリートを壊せるなら流動化と戦える


「うわー、それは引くわー。君そんなに力ある人なんだ。それとも、その刀のおかげ?」


でも、こうなれば随分戦いやすい


硬化できる時間は長くなっているし


でも、やっぱり時間制限はある


早く勝負を決めないと


そして、地面を蹴るとかつてないスピードが出た


やっぱり、ちょっと無茶したから模擬戦・・・のときよりも早くなってる


このまま……


飛びかかった先にある相手が沈んだ・・・


「へぇー、結構早いな。普通に対応するのはやめといたほうがいいかも」


まだ、この壁を蹴って動けば


「あ、それとその壁純ウルツァイト窒化ホウ素製だから名前は初めて聞くかもしれないけど、一応世界で一番硬い物質のはずだから」


ウルツ?!


でも、捕らえられる危険を考えれば壁に触れたくないのは事実


体が触れていれば硬化できる


なら、タイミングさえ見誤らなければ


3,2,1……


着地


「あーあ」


そして、硬化


どうやら間に合ったよう


液状化リキタイド


また足が沈んだ


(何で?!)


「そんなに表面ばっかり硬化しても」


そうか、表面を硬化しても固定はできないから


「結局沈むよ」


く、ペットボトルで


なんとか他の部分にペットボトルを引っ掛けた


神柱が戦闘に使った余り物がこんな形で役に立つとは


硬化したペットボトルを引っ掛けて沈みかけたところから這い上がる


(この壁、硬い)


捕らえられたら出れなかったかもしれない


「えー、結構この攻撃自信あったんだけどな」


それより、こいつの装備の効果範囲を考えないと


とりあえず、ペットボトルを投げてみる


相手が触れていなくても発動できるなら液化してくるはず


よし、相手に届く前に液化された


つまり、液化するものには触れていなくても良い、と


他の条件はなんだ?


認識していたら?それとも、目で見える範囲?


目で見える範囲だとしたらあれが使える


……一か八か、やるしかない


「こっちも仕事だから、そろそろ本気出すか」


ペットボトルは液体を入れるためにある


そして、これは城崎から渡された硝酸


これがあれば隙をつくることはできる


そして私はそのペットボトルごと・・硬化して相手に向かって思い切り投げた


「まあ、考えてることはわからなくもないけど」


硬化したペットボトルは液体に変わる


その時の液化の順序は右、後ろ、前、左


(よし、いける!)


私は賭けに勝ったようだ


「ヤバそうな液体発見、と」


おそらく液状化によって空気を液体に変え、硝酸を薄めているのだろう


本当に器用なことだ


でも、このペットボトルに気を取られたからこいつは負けた


さっきのペットボトルは場所によって硬度を変えていた


そして、軟らかい部分から順に溶けていった


つまり、液状化はある程度硬化で相殺できる


刀をできるだけ硬化させてペットボトルに気を取られているこいつの首に叩き込めば


「流石に意識を奪えば発動しない」


鈍い音とともに目の前で戦っていたものは倒れた

テストが近づいてきたので更新遅くなるかもしんない

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