「えっと……この部屋だよね……」
0202号室に来て、目的のものを探し始める
暗号って言っても、思ったより難しい物じゃ無かった
1は一文字、2は二文字っていう順番で後ろの数字を区切って、区切った数字をアルファベットに直すだけだ
複数作って情報の入手を難しくしてる感じなのかな?
「お、これじゃない?」
棚を開けてみると、数字を入力するタイプの鍵がついた箱が入っていた
「数字……さっきの暗号の数字をそのまま入れれば良いのかな?」
写真に撮った数字を見ながら、一つ一つ丁寧に入力していく
もしかしたら、入力ミスをした瞬間に二度と見れなくなるタイプのものかもしれないから、間違えないように慎重にしないと
(……よし、これで半分だ)
集中力回復の為に休憩を挟もう
けど、今のところ特に警備システムとかが作動した感じは無い
この調子なら、上手く開けることが出来るかも知れない
(騒動が終わったら、金庫破りにでも転職しようかな?)
城崎に特権を持ってきてもらって楽して生きるのも良さそうだけど、こんなふうに自分のやりたいことを通すのも有りだな
人生設計を色々考え直しちゃうかも?
……まあ、それはもうちょっと事態が落ち着いてからで良いかな?
今は鍵を開けることだけに集中しよう
はい!休憩終了!
よし!入力作業の再開だ!
――――――――――――――――――――
「そうか!つまり、僕に検索エンジンのシステムについて調べて欲しいと!無理だね!」
話をしてみると、どうやらかなり難しいみたいだね〜
「というか、検索エンジンって個々人に最適化されてるから、システムの解析が難しいんだよね。それに、大手ともなると、システムの保守に色んな人が関わってるだろうし、下手したらシステムの全貌を知っている人って一人も居ないんじゃ無いかな?」
恐ろしいスピードでまくし立ててきた
何か思うところでもあったのかな〜?
「まあ〜それならそれで大丈夫ですよ〜。ちなみに〜少しでも分かることとか無いんですか〜?」
ちょっとくらい有るよね〜?
「そうだな。まあ、ちょっと位ならすぐに調べられるぞ!ちょっと待ってろ!」
そう言って、何処かに消えた
え〜?どこ行ったの〜?そんなに一瞬で移動できる感じ〜?
まあ〜私も特に時間制限が有るわけじゃ無いから〜特に探したりはしないんだけど〜
だから、私も私で出来ることを探そっかな〜
「はい!出来たよ!」
「え?早」
流石に早すぎじゃな〜い?
私、三、四秒位しか待ってないよ〜
「それ……本当に出来てるの〜?」
「いや、俺はちょっと裏技を使ってるからな。こんな速度でもかなり正確に出来てると思うぞ。それに、俺も一応はプロだ。依頼された仕事くらいはきちんと成し遂げるさ」
ちなみに、また後で報酬は貰うからね、と付け加えた
報酬か〜
何を渡せば良いんだろ〜?
私だったら、新しく興味を引くような植物をくれたらそれで大満足なんだけどな〜
他の人が何を欲しがるかなんて、全く分からないんだよね〜
う〜ん……どうしようかな……
「お〜い、話、聞いてる〜?」
「え?あ……ごめ〜ん」
何か話してたんだ〜
ちゃんと聞いてなかったや〜
「取り敢えず、これが結果だ!時間はあまり無かったが、その中でもかなりいい結果が出たと思うぞ!」
そう言って、スマホを見せてきた
そこには、検索された内容から検索結果を表示するまでの手順が流線的に書かれていた
「う〜ん……見にくいな〜」
「ん?人に頼んでその人が猛スピードで仕上げたことに対する言葉か?それ」
「あ〜……ごめんさない」
確かに、今のは流石に失礼だったよね〜
「まあ、別にいいぞ。技術者系はなぜかよく分からんが軽んじられることが多いからな。慣れてる」
慣れてるって……
まあ、そういうこともよく有るのかな?
技術職って大変なんだなぁ……
「ん〜……おっけ〜。それじゃあ、私は戻ってこれを見とくね〜。報酬の方はまた後日渡すよ〜」
そのまま去ろうとしたら、引き止められる
「いや……一応契約書書けよ……。口約束は信用も信頼も出来ないからな……」
ああ……それもそうか〜
「でも、報酬の中身も決めてないのに、どうやって契約するの?」
すると、スマホの録音アプリを取り出してそれを見せつける
「言質とれば大丈夫だよ。それで、ちゃんと報酬はくれるんだよね?」
「うん。それは約束するよ〜」
ちゃんと録音されたのを確認して、相手はスマホを仕舞った
「じゃあ、これで用事は終わったか?」
「うん。じゃ、私は帰るね〜」
――――――――――――――――――――
「う〜ん……理解するのには時間がかかりそうだな〜」
スマホに送られてきた情報を見ながら考える
やっぱり、複雑と言っていただけあってすぐに理解できそうなシステムでは無さそうだね〜
う〜ん……細かいことは私の部屋で確認しようかな……
悩みがら、私はゆっくりと歩いていく
「……あ、私の部屋、無いのか」
今はまだ、研究所が調査中だったんだ
どうしよう……今、寝床すらないのか〜……
「何処かに泊まろうかな〜?」
でも、泊めてくれるような知り合いも居ないし……
「どうしよっかな〜?」
歩いていると、ドアの前に人が現れた
「あれ〜?神やん?」
その人は、私がよく見知った人だった
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