35. 砂漠鉄道
私はサリア様の話を聞き、唯一の家族の妹さんを助けるためにソルファス王国の王都へ一緒に向かうことに決め、まずは砂漠を越えていくため砂漠鉄道に乗ることに決めたのです。サリア様の分の資金は一応あったので心配はいらないのです。
砂漠鉄道は一度乗ってみたかったしちょうど良かったのです!次の日になり朝早くに宿を出た私たちはサリア様と合流してそのままラインストーンの砂漠鉄道の駅に向かっています。
「あの。ご迷惑をおかけします。」
「気にしないでサリア様!あたしたちも王都へ行くつもりだったし、困っている人を助ける旅だから!」
「なんでミルディが言うのですか?私の台詞なのです。」
まだ朝の時間帯のためほとんど人はいないけどこれからどんどん増えると思うと楽しみなのです!そんなことを考えているうちに私たちが乗ることになる列車の駅に到着したみたいなのです。
そこには大きな蒸気機関車が止まっているのです。中には魔法船と同じく魔法石を使った機関車があるようなのです。速度も速くて快適らしいのでそれに乗りたいのです!
そう思ったのですが今回は普通の列車なのです。それでも十分凄そうな気がするです……。まぁそれはいいとして今は切符を買うのです。とりあえず窓口に行ってみると既に結構並んでいたのです!?するとミルディが近くの駅員さんに確認してくれる。
「すみません……この列車はもういっぱいですか?王都まで行きたいんですけど?」
「いや大丈夫だよ。王都か。長旅だから準備をしっかりしたほうがいいですよ。何かあった時のために。」
「大丈夫なのです!準備は完璧なのです!」
そして列車に乗り込み走り出すのです!私とフィオナは窓側に座って外を見る。
「うわぁ速い速い!ねアリーゼ様!」
「はいなのです!感動なのです!」
「はしゃぐでない。他の乗客に迷惑じゃ。」
私とフィオナはロゼッタ様に叱られてしまうのです。むぅ…。でも確かに周りを見るとみんな黙々と座っていたりしていたのです。確かに少し自重すべきかもしれないのです……。
しばらく経って列車が止まると同時にまた動き出します。どうもこの駅で途中下車するのは少なめなようです。次はお昼頃に次の街に到着するとのことだったので今のうちにご飯を食べておくことにするのです!
「ねぇせっかくだし外で食べない?出発の時間までまだ時間あるし。せっかく観光もできるんだから。」
「それいいかも!ボクは賛成!」
「そうなのです。こういう時は美味しいものを食べるに限るのです!」
ということで外に出ると一面見渡す限り広大な砂漠が広がっていたのです。遠くには山脈なども見えるほど広大だったのです。その景色を見ながら食事をするなんて、贅沢なのです!料理も美味しいのです!するとサリア様は俯いたまま運ばれた料理を一口も食べていない。
「サリア様~?」
呼びかけても反応がなかったからミルディが肩を叩きながら再度呼ぶと驚いてこちらを見ました。しかし表情はとても暗かったのです。妹さんのことで悩んでいるみたいなのです。
「サリア様。ご飯食べるのです!サリア様が元気がないと妹さんも心配するのです。」
「確かに聖女アリーゼ様の言う通りですよね。はい……」
無理やり納得させるように食べ物を詰め込んでいき無理矢理食べた感じになっていましたがこれで少しでも気分が良くなってくれたらいいなと思ったのです。それにしてもやっぱり姉妹愛というのは尊いものだと思うです。
こんな状況だけどサリア様のことをますます好きになってしまった自分がいることに気づくのであったのです。
そして昼食をとったあと再び席につき次の駅に向かう。そしてしばらく待っていたが、列車が出発の時間になっても動かないので何事かなと思っているとアナウンスが流れてきたのです。何でも砂嵐が発生したらしく復旧するのに時間がかかりそうとのことだったのです。
「砂嵐か…ついてないね?」
「自然災害はどうにもならんじゃろ。大人しく待つしかないぞ。」
………数時間経ったけど一向に回復する気配はなくただ時間だけが過ぎていくばかりでだんだん苛立ちを覚える人たちが増えていってしまったのです。
「いつになったら動くんだよクソ野郎!!」
……一人の男性の一言により次々と不満が爆発してしまうのである!!
「俺たちだって忙しかったんだ!それをお前らは。足止めを食らうなんてふざけるなよ!!!金返せぇーーーッ!!!」
「そうだぜゴラァ!!!さっきよりひどくなっただろうが!!」
………これはちょっとマズイことになったかもしれないですね。このままでは暴動が起きかねない事態になってしまう。パニックが起こりそうなときに突然列車内に一発の銃声が鳴る。
「ソルファス王国騎士団だ。大人しくしろ。次に騒いだものは銃殺刑に処す。」
はっと前を向いてみれば前に立っていた騎士の方々の後ろに数十人の兵士たちがおり、続々列車内に入ってくる。しかもよく見ると全員が銀製の装備を身につけており精鋭部隊のようだ。
しかも明らかに手慣れた様子でありかなり訓練された部隊だと思われるのです!一体どうして彼らがこのようなことをもしかしたらサリア様を狙って?
私が警戒してロッドに手を伸ばしているとその手を握られる。隣にいるサリア様を見てみれば険しい顔つきをしていたのです。まるで敵を見つけたかのような眼差しになっていたことに気づいてしまう。そして私に聞こえるくらいの小さな声で呟く。
「聖女アリーゼ様…彼らはおそらく私を探しているのです。」
「やはりそうなのですか…」
「我々はある任務を遂行中だ。皆に問おう。ここにジルベール国の者がいるな?大人しく出てこい!」
兵士の一人がそういうと全員一斉に銃剣を抜き放ち辺りは一触即発の雰囲気に包まれてしまう。
ここで騒ぎを起こしたら確実に殺されるであろうという恐怖心に支配されてしまい動けなくなっしまった人がほとんどだがこの状況は非常にまずすぎる状態になっているのです。
(どうすれば良いのかわからないし下手したら私たちは捕まる可能性すら出てくる。とにかく何とかしないといけないのです。捕まる=サリア様の死になりかねないのです。)
こうして、私たちは王都へ向かう途中の砂漠鉄道でピンチを迎えてしまうのでした。
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