83. 魔法石をつくるのです!
無事中級冒険者ダンジョンを攻略した私たちは次の目標を上級者ダンジョンにしようとしたのですが、やはりそれは断念し、新たな中級者ダンジョンを攻略することにしたのです。
まぁこの前の中級者ダンジョンの雪だるまを倒すのに精一杯だったのですしね。仕方ないのです。
今日はミルディと魔法石を作るための素材を購入するためにお買い物に来ているのです。
「まずはどこに行くのです?」
「そうだなぁ鉱石屋さんかな。そのあとは魔道具屋ね」
そうして向かった先はこの島でも一二を争うほどの大型店である鉱石屋さんです。ここのお店では様々な鉱石や魔道具が売られていて、冒険者の皆さんもよく利用するらしいです。一石二鳥なのです!
私たちも例にもれず店内に入ると店員さんの案内のもと色々なところを見て回りました。そして、魔法石を作れるようになるための
材料を買った後、一応素材が足りないので魔道具屋さんに向かいます。
ここは島の他の場所よりも少しだけ値段が高いみたいですね。まぁそれでも十分安いのですけど。
ここでも必要なものを買い揃えて最後に宿屋に戻るのです。これで魔法石をつくるのです!
宿屋に戻り準備をするのです。ロゼッタ様たちは今日も魔法修練をしていて今はいないので部屋を広く使えるのです。
「ミルディ。私は何をしたらいいのです?」
「それならこの錬金釜に水を汲んできてほしいんだけど。」
「分かったのです!任せるのです。」
そう言ってから私は水汲みの準備を始めるのです。と言っても、桶に水を入れて持って行くだけですが…… 水を入れ終わったら次は材料を準備していくのです。
今回は魔法石を作るのに必要な材料は3つ。1つはミルディが魔力を込める鉱石、2つ目は火属性を付与するための鉱石。あとは私が汲んできた水なのです。ちなみに付与するための鉱石は私には見分けがつかないのです。でもミルディは慣れた手つきで仕分けしているのです。凄いのです。
「よしっ、できたよー!アリーゼはそれを砕いておいてくれる?」
そう言って渡されたものは私の両手に乗るぐらいの大きさでした。これが炎石というものだそうなのです。私はその炎石を金槌で砕き、すり鉢で粉末状にしていきます。するとだんだん赤く光り始めてきたのです。
それからしばらく粉々にして混ぜ合わせると赤色に染まったので完成なのです。
「うん。上出来じゃんアリーゼ。」
「本当なのですか?良かったのです。」
「それじゃあとはあたしが造るからアリーゼは本でも読んで待ってて。」
そう言われてしまったので私は大人しく本を読むことにしました。最近読んだ中で面白かったのはこの世界の地図だったのでそれを眺めています。
そんなこんなで時間を過ごしているうちに出来上がったようです。ミルディが魔法石を見せてくれました。それは赤紫色に輝く綺麗なものでした。
「これが魔法石なのです?この前のと色が違うような…」
「これはロゼッタ様用の魔法石なの。炎の魔力が増幅するように造ってるから。次はソフィアのだね。アリーゼさっきと同じくこの風石を砕いておいて」
そうして渡されたものも同じように粉末にします。こっちの色は緑色っぽい感じの色です。その後、また魔法石を作り続けました。結構大変ですがこれくらいへっちゃらなのです。
魔法石が出来たところで夕食の時間になりました。今日の料理はなんでしょう。楽しみなのです!そして食事を終え、お風呂に入り寝支度を整えていると、ミルディがロゼッタ様とソフィアに今日造った魔法石を渡す。
「はいロゼッタ様とソフィア。うまくできたと思うんだけど。」
「うむ。魔力が込めやすそうじゃな。」
「私にですか?ありがとうございますミルディさん!」
2人とも喜んでくれてるみたいです。そして私たちは眠りにつきました。明日からも頑張るのです!
次の日、私たちは朝早くから昨日ミルディが造ってくれた魔法石を試すために初級者ダンジョンに向かいました。
とりあえず私たちはダンジョンに入っていきました。そして出てくるモンスターを倒しながら進んで行きます。今日はあまり深く潜らない予定なので5層まで進みましょう。
道中出てきたモンスターも順調に倒しながら進んでいくと、階段を見つけました。どうやらここが目的の場所みたいですね。早速降りていきます。
降りた先にいたのは大きなクマのような魔物でした。さぁ魔法石の出番なのです!ロゼッタ様とソフィアは魔法石に魔力を込めて詠唱を始めるのです。
「我の敵を切り裂け風魔法・ウインドカッター!」
「吹き飛ぶのじゃ爆炎魔法・バーストジャベリン!」
二人の魔法を受けたクマは呆気なく倒れてしまいました。やはり威力は高いみたいですね。
その後も何回か同じようなことを繰り返したのです。やっぱりミルディの魔法石は凄いのですね!そうしてダンジョンを攻略したあとはいつも通りギルドで換金してもらい宿屋に戻るのです。
「やっぱり明日は中級者ダンジョンにいきたいのですね。」
「そうだね。ボクもそう思うよ。今のうちに準備をしておいたほうがいいよね?」
「えぇ!?またあの雪だるまみたいに強い魔物と戦うの…?」
「大丈夫なのです!ミルディの魔法石があれば問題ないのです!」
私たちはミルディの魔法石の威力を試してみて、やっぱり明日は中級者ダンジョンに挑むことにしたのでした。
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