46. 魔導大図書館
天気は快晴!気分も晴れやかなのです。それはなぜかと言うと今日は待ちに待ったソルファス王国王都にある魔導大図書館に行くことになっているからなのです!凄く楽しみすぎて顔に出てしまっているのです!自分でも分かっちゃうのです!ああ……一体どんな魔導書があるのですかね……。
そんなことを思いながら、私はいつも通り朝食を食べて準備を済ませたのです!そして私は勢いよくみんなの前で言うのです!
「さぁ!出発するのです!いざ魔導大図書館へなのです!」
「あのさアリーゼ。ごめん。あたしはいけないや。少し用事があってさ」
「アリーゼ様。ボクも…ごめんね。」
そう言って、ミルディとフィオナは申し訳なさそうな顔をして謝ってきました。なぜなのです?2人ともなんで今日に限って用事があるのですか? でも、それなら仕方ないですね……。私1人で行くしかないです。まあ、元々2人には断られても1人で行こうと思っていましたけどね……。
「なら仕方ないのです。1人で行くのです…。」
「おい。なぜワシを無視するのじゃアリーゼ!?」
「え。ロゼッタ様一緒に来てくれるのです?いつもならまだ寝ている時間なのです。」
「なぜ行かないと思ったのじゃ!?魔法士なら憧れの魔導大図書館に!?ワシも絶対行くからの!!絶対絶対行くのじゃ!」
凄い圧なのです…!それに駄々をこねる子供みたい…というのは言わないでおくのです。というかロゼッタ様は魔女なのでは?まぁ……これは断れない雰囲気なのです!! それにしても、まさかロゼッタ様がついてくるとは思わなかったのです。
私とロゼッタ様は魔導大図書館までの道を歩いていく。ふとロゼッタ様を見るとなぜか私より楽しそうなのです。それに気づいたロゼッタ様が私に言うのです。
「なんじゃその目は?」
「いえ別に何も無いのですー?」
「むぅ〜!なんなのじゃお主は!何か言いたいことがあるなら言えばいいのじゃ!!」
「何も考えていないのです!ロゼッタ様考えすぎなのですよ?」
「ぐぬぬ……なんか納得いかないのじゃ……」
たまにはロゼッタ様をいじめてみるのです。私たちはそんな会話をしながら歩いていると、いつの間にか目的地である魔導大図書館が見えてきたのです。
「着いたのです!」
「おおぉ……これが噂に聞く魔導大図書館か……想像以上の大きさじゃのう……」
確かに大きいのです。そして広いのです。この広さだと目的の本を探すだけでも一苦労しそうなのです。とりあえず中に入ってみるしか無いのです。
本来なら国王の許可が必要なのですが、ソルファス王国はもう聖エルンストに制圧されているのです。私は聖女リスティ様から貰った紋章入りの通行証を見せるとすんなり中に入れたのです。この通行証は万能なのです!
中には沢山の人がいてとても賑わっているのです。ここには世界中のありとあらゆる書物があると言われているのです。だからここに来た人は皆目を輝かせて色々な場所を見て回っているのです。そして私もなのですが、ロゼッタ様も目を輝かせていて楽しそうなのです。
「すごいのです!見たことの無い本がいっぱいあるのです!ここは天国なのです!」
「アリーゼ落ち着くのじゃ。まずは目的を決めて本を探さんといかんぞ。時間が限られておるからの。」
ロゼッタ様の言うとおりこの魔導大図書館は入館から2時間しか本を読むことが出来ないのです。しかも、貸し出しも禁止されていて、読む時は必ずその場で読まないといけません。つまり、読める本が限られているのです。
私は周りを見渡してみます。するとそこにはたくさんの種類の本がありました。さぁどれを見るのですかね……。やはりあの扉の向こうにある「禁書庫」というところ気になるのですよね。恐らく昔の古い文字で書かれた、上級術式などが書かれた書籍が置かれていると思われる場所でもあるのですが、そこの本は読めないので諦めるのです。
「そういえばロゼッタ様は何かお目当ての本でもあるのです?ここに来たがるくらいなので。」
「ああ…ワシはこの中級魔術書を読みに来たのじゃ。昨日街の本屋に寄ったのじゃがなくての。」
「今さらなのです?ロゼッタ様は第5等級魔法まで使えるのですよね?魔力がないだけで。」
「強い魔法が使えれば次第に忘れるもんじゃ。身体は覚えておっても原理は忘れておる。せっかくガウェインの魔力を貰ったのじゃ。ワシも強くならなくてはの、だから再度勉強するのじゃ。」
そういうロゼッタ様は私に微笑みながら話してくる。それを見て私も嬉しくなるのです。それはロゼッタ様が私たちの為に強くなろうとしているということなのです。目標に向かっている事はとても素晴らしいことなのです!だから私は「中級魔術書」を探し持ってくることにするのです。
「?なんじゃアリーゼ、お主は必要な本を読むがよい。お主にはその本は意味ないじゃろ?」
「いえ。これが私にとって必要な本なのです。ここで覚えた本の知識を何かに書き写せばロゼッタ様がいつでも確認できるのです。それにフィオナだっていつかは読むかもしれないのです!」
「アリーゼ……」
「良かったのです。これで私にも毎日やるべきことができたのです!」
私は満面の笑みでロゼッタ様に伝える。するとロゼッタ様は少し微笑みながら私に言うのです。
「……勝手にするがよい。ワシは何もおごらんからの。」
「これからの旅の中で返して貰うのです!」
そしてあっという間に時間は過ぎていき時間になるのです。それでもお互いの目標のために有意義な時間はすごせたのです!
「はぁ~時間が足りないのです!もっと読みたかったのです!」
「仕方あるまい。また機会があれば来ればいいのじゃ。まだまだお主の旅は長いのじゃからな……。」
「そうなのです!これからもよろしくなのですよロゼッタ様!」
「……世話が焼けるの…。」
私とロゼッタ様は仲良く宿屋に帰ることにするのでした。私も誰かの為に何かをやることができて良かったのです。これから毎日が楽しみなのです!
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