75. 古都の街
私たちはダンジョン攻略をするためにシェルタバード島に到着し、ハーツスターの街に向かっているのです。昨日は野営をして今日中にはたどり着きたいのですね。
まぁ……地図を忘れるハプニングはありましたけどソフィアの風魔法でなんとかなりましたし、昨日の夕食はロゼッタ様がとても美味しいシチューを作ってくれたので満足なのです。やっぱり人は助け合いが必要なのですね。
私とフィオナが先頭で歩く。あの魔物を怖がっていたフィオナが今では一番前を歩くなんて立派に成長したのです。
「アリーゼ様?ボクの顔に何かついてる?」
「いえ。立派なのですフィオナ。」
「えっ?うっうん。ありがとう」
照れてるのですか?耳まで真っ赤なのです。かわいいのです!しばらくソフィアの風魔法の地図を頼りに進み森を抜けて視界が開けると、大きな街が見えてきたのでした。やっと到着なのです!
たどり着いたハーツスターはまるで物語に出てくる古い都のような街並みをしているところでした。どの建物も歴史を感じさせる風格があるです。入り口にはアーチ型の門がありアーチの下には盾の紋章がついているのです。きっとこれがこの島のエンブレムなのでしょうね。街の中心から上に行くほど建物が密集しているようです。
この街では上の方に住んでいる方が偉い人という事なのでしょうか?街の入り口では特に身分証明などはいらず普通に入れるようなのです。
「ちょっと待ってください。私が一応街の怪しい魔力がないか確認します。【風魔法サーチ・ディテクト】」
ソフィアのこの魔法は風の魔力を使って周囲に異常がないか調べられるものらしいのです。サーチの結果ソフィアの言う限りは異常なしとの事で安心しましたのです。
「おぉ。ソフィアの風魔法ってそんなのもできるんだ。凄いね。」
「はい。魔法能力があがれば探知の範囲も広がりより詳しくわかるようになるんですけどね。だからご指導お願いいたしますロゼッタ様!」
そう言われたロゼッタ様は苦笑いしています。まずは街に入り。そしてそのまま宿を探しに歩き始めます。とりあえず今泊まれるところがないと困るのです。
「すみません!ここって部屋空いてたりしますか?」
ちょうどいい大きさのお店があったので入っていつものようにミルディが代表して聞いてみることにします。すると店主さんらしきおばさまが出てきてくれました。ここは飲食店も兼ねているみたいでした。
「ん~うちは一部屋に5人から10人で入れるんだけどそれでよかったら大歓迎よ。5人かしら?可愛い子達だねぇ。さぁこっちおいで。」
なんかすごい勢いでミルディが手を引っ張られて、店内に引きずられていきました。でも大丈夫なのです?みんな女の子なのですけど?変なことされたりしないのです?そのくらい勢いが凄かったのです。
部屋に案内されると中は広くベットもありなかなか綺麗なお店でした。ここを拠点にするのです!受付からこの島の地図を貰い、早速どういうダンジョンに行くのか意見を出し合うことにするのです。財宝、未知のアイテムや武器、想像するだけでワクワクするのです!
「ボクは、未開の地に行って見たいなーって思うんだけどどうかな?」
フィオナは未開の地に興味津々なのです。まだ誰も知らない土地。ロマン溢れるのです!
「私も賛成です。せっかくだし色々と見て周りたいと思うし。」
ソフィアも未開の地に魅力を感じているみたいなのです。するとロゼッタ様が忠告してくるのです。
「バカ者!そんな未開の土地など、危なくて行けるわけないじゃろ!それにどんな危険なモンスターがいるかもわからんのじゃぞ!甘くみるでない!」
怒られるフィオナとソフィア。確かに言われてみればそうなのですよ?それなら安全なところに行った方がいい気がしてきたです。
「まぁまぁそんなに怒らないでよロゼッタ様。やっぱりこことかここがいいんじゃない?初級冒険者におすすめって書いてあるし。」
ミルディが指差している場所を地図で確認するのです!なるほどここからだとすぐそこの距離にあるです!これは好都合なのです!ということでその近くのダンジョンに決定するのでした。
その後は明日からどう動くかを決めることになり、夜遅くまで話し合いが続いたのです。
朝起きて、ご飯を食べた後、街を出て目的となるダンジョンに向かいました。今回はそこまで急ぐ必要はないため、歩いて移動することにしたのです。地図を見ながらしばらく進むと、目的の洞窟を発見したのです!入口からはかなり奥まで続いているようです。結構大きいのです。
入り口から少し入ったところに立て看板があり、どうやら初心者向けダンジョンと書かれているのです。ちなみに昨日決めた目的地はここだったので迷わず来れて良かったのです。
しかし、洞窟内はかなり薄暗くジメジメしているので、土属性と風属性を持つソフィアを中心に探索していくことになりました。やはりソフィアの魔法は便利なのです。しばらく歩くと、ゴブリンを見つけたのです。魔物なのです。
「よし!ロゼッタ様の手を煩わせる必要もないですし、ここは私が最初に行きます!風魔法・ウインドカッター!」
ソフィアの手から飛び出た風の刃は狙いたがわず命中し。切り刻む。すぐに倒すことができた。
「流石ソフィア。見事な腕前なのです。」
「えへへ。ありがとうございますっ」
そう言って照れるソフィアは本当にかわいいですね。思わず頭を撫でたくなります。そんなことをしていたらいつの間にか次が出てきたのです。その後現れた2匹のゴブリンもなんなく倒し、ダンジョンを奥に進んで行くことになるのです。
「ねぇ。なんかおかしいよね?全然魔物に遭遇しないよ?」
「確かになのです…。」
「魔物に遭遇しないほうが、あたしはいいんだけど……」
あれだけいたはずのゴブリンが全く現れなくなったのです。何か嫌な予感がするのです。そして次の瞬間、地響きと共に目の前に1匹、緑色の肌をした巨人が現れたのです。
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