43. 約束の石板
私たちはサリア様の妹アリア様を無事に助けだし、ソルファス王国は聖エルンストに制圧されることになったのです。やはり悪いことは許されないのでこれで良かったのです。これから国が変わっていくといいのですという期待もできますね。
私たちは本来の目的の遺跡群にある「キルシュ古城」にたどり着いたのです。古代遺跡なのです…未知の鉱石とかが発見されたら、アリーゼ鉱石と名付けるのです!と楽しみにしていたのですが…ロゼッタ様が元気ないように見えるのです。どうしたのでしょうか?
「あのロゼッタ様どうかしたのです?お腹空いたのです?」
「子供扱いするでない!別に何もない……」
やっぱりおかしいです。いつもならもっとテンションが高くて杖で叩かれているはずなんですけど……。私は気になったのでロゼッタ様に問い詰める。
「やっぱりおかしいのです!何か隠してるのです!」
「ロゼッタ様。何かあるなら言ってねあたしたち仲間なんだから。」
「ボク師匠が元気ないの見たくないの。」
「あーもうわかった!言えばいいのじゃろ!」
そう言ってロゼッタ様は私たちに話してくれました。
「昔このキルシュ古城で、ワシは1人の男と出会ったんじゃ。その男はワシより年上でとても優しく強い人じゃった。そしてワシはその人に恋をした。しかしそれは叶わぬ夢だった。彼はワシのことを妹のようにしか思っていなかったからのぅ。それでもよかったのじゃよ。彼の側にいられるだけで幸せだったのだから。」
ロゼッタ様…乙女なのです。そんなことを考えているうちに話は進んでいました。
なんでもその人は今は亡き人で、ロゼッタ様に魔物との戦い方を教えてくれた恩人だったらしいのです。その人との思い出があるからあまり来たくはなかったようなのです。
そんな話を聞いたミルディとフィオナは気をつかってか、先に歩いていく。というか。これは逃げたのです。まぁ私が一番お姉さんなので別に動じないのです。
「ロゼッタ様にもそんな可愛らしい時代があったのですね。しかも、それを恥ずかしげもなく言えるなんて大人なのですね。」
「うるさいの。ワシは大人じゃ。それに今となっては過去のことじゃしのう。恥ずかしさなんてないじゃろ」
そう言うロゼッタ様の顔は赤かったのです。本当に可愛らしいのです。私はミルディとフィオナのあとについてキルシュ古城の中に入る。すると天井が抜けている場所が多くそこから日の光が差し込みとても幻想的な場所に見えるのです。凄く綺麗なのです。人気スポットなのも納得なのです!
しばらく進むと大きな扉が見えてきたのです。ここが最深部みたいです。中に入るとそこには巨大な壁画がありました。見たこともない文字が書かれているのです。でも何故か読める気がします。不思議です。もしかして何かの本に書いてあったかもしれないのです!
そこに描かれている絵には、黒い翼を持つ悪魔のような生き物と戦う人々の姿が描かれているのです。これが大聖女ディアナ様が鎮めたと言われる厄災なのですかね?
私が壁画に見入っているとロゼッタ様がみんなに話始める。
「ちょっとついてくるのじゃ。」
「師匠?ここが最深部だと思うけど?」
「あったのじゃ。この傷。」
するとロゼッタ様は奥の壁に向かって歩き出し壁の前に立つとその壁に手をかざすと魔法陣のようなものが現れる。次の瞬間眩しい光に包まれたと思ったら目の前に大きな扉が現れたのです。そしてロゼッタ様は振り返るとこう言ったのです。
「ここは約束の場所なのじゃよ。もう来ることはないと思ったのじゃがな…」
そう言いながらロゼッタ様はゆっくりと扉を開ける。そこは階段があったのです。上を見上げると空が見える。どうやら隠し通路みたいなものを見つけたようです。私たちはゆっくり上に上がっていくのです。
そこには古びた教会らしき建物が建っているのでした。
「わぁ…教会だぁ。こんな場所になんで教会があるんだろう?」
「ここは天空のチャペルと呼ばれている場所じゃ。ここで愛を誓った者は末永く幸せになると言われておる。」
「へぇ〜そうなんですね!ロマンチックなのです!」
私たちがその教会の入口に近づくとロゼッタ様が寂しそうにその教会を見つめていたのです。後悔…しているのでしょうか?その男性に想いを伝えられなかったこと。ロゼッタ様は魔女なのです。普通の人間とは寿命が違うのです。
叶わぬ恋…いえ、そもそもその男性はもう亡くなっているのですから、伝えることもできないのです。ロゼッタ様は…… ロゼッタ様は一体何を考えているのでしょうか……?
「せっかくじゃ。中に入るとしよう。」
「あっ待ってロゼッタ様」
ロゼッタ様は私たちを連れてその教会に入っていきます。中は思ったよりも広く、ステンドグラスから太陽の光が差し込んでとても神秘的だったのです。ロゼッタ様は祭壇の前で立ち止まる。
「……まだ残っておったのか」
そこには古びた石板があったのです。そしてロゼッタ様は何かを思い出したかように話し始めるのです。
「この石板はな、その男性との約束の魔法の石板なのじゃ。」
「えっ?どういうこと師匠?」
ロゼッタ様はその石板に手を当てて魔力を流し込むと、石板が輝き始めました。そして声が聞こえる。
『私は認めないから。必ず帰ってきてよね。もう一度私に会う前に死ぬなんて許さないから!』
『あーはいはい。わかったよ。ったく、心配性なんだからよ。ローズは、俺は必ず帰ってくる。』
ローズ?これはロゼッタ様の事ですかね?それならこの男性がロゼッタ様の。
「さっき話したワシが昔好きになった男の声じゃワシが18の時に死んでしまったがの。」
そう言って悲しそうに笑うのです。それからしばらくすると光が収まり元の状態に戻ろうとしましたが、何かに弾かれたのです。そしてその光はロゼッタ様を包みこむ……それはまるで、長い間ロゼッタ様を待っていたかのように……
「師匠!?」
「これは…この魔力は…ガウェイン…」
そして光が消える。ロゼッタ様は目をつむりしばらくその温かい光の魔力の余韻を楽しんでいるかのように感じられたのです。そしてロゼッタ様は微笑みながらこう言ったのです。「”また”会えたのう。」と。
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