「皆、静粛にせよ! 今さら後悔したところで、この状況が覆るわけではない!!」
彼らの中にいた老人国王が声を張り上げた。
小国の王たちの権限は横並びだが、年齢や経験に基づく立場というものがある。
この老人王が実質的なまとめ役と言っていいかもしれない。
「よいか? 何事も、まずは冷静に考えるのじゃ。今、我らがなすべきことは何か?」
「すべき事だと? そんなの決まっている! ブリケード王国に謝罪と賠償を請求するのだ!!」
「否! 我らの軍に損害を与えたのは、あくまでライルとかいう若造だ! 奴の首を取るしかない!!」
「バカが! それでは、我らが再び板挟みになるであろう! ここは一歩引いて、ブリケード王国と若造が潰し合うのを静観する! それが得策だ!!」
老人王の意見に、小国の王たちが口々に意見する。
先ほどまでと比べると、少しだけ意見の方向性が定まってきただろうか。
しかし、まだまだバラけている。
彼は小さく嘆息すると、彼らの声に負けないように声を張り上げた。
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