「ご主人、そろそろ乾杯の挨拶を。みんな待ちくたびれてるぜ?」
「ああ。……みんな、今日は本当にありがとう! そして、これからもよろしくな!!」
レスティに促され、ライルが叫ぶ。
そして、乾杯の音頭を取った。
「それでは……乾杯!!」
「「「かんぱーい!!」」」
ライルの挨拶と、村人たちの歓声が重なる。
こうして、ライルとルーシーの披露宴は盛大に幕を開けた。
「うめぇ! この肉料理、最高だぜ!!」
「レスティ、はしたないですよ? 聖竜帝国の全軍指揮官が、食べ物にがっつくなんて」
「ははっ。いいじゃないか。今日ばかりは、無礼講ということでさ」
「はぁ……。貴方様がそう仰るのであれば……」
ロゼリアがレスティに苦言を呈す。
だが、ライルに言われては仕方ない。
彼女は、それ以上何も言わなかった。
「はぐはぐっ! これほどの料理……お腹に詰め込めるだけ詰め込まないと!!」
「がっつくねぇ……。これだから低ランクの貧乏冒険者は……」
「む! そういうシャオさんだって、たくさん食べてるじゃないですか! というか、私はBランクに昇格しました! シャオさんと同じです!!」
「甘いな。アタイはAランクに上がったぜ?」
「ぐぬぬ……」
キーネとシャオが言い合いをしている。
その近くには、キーネのパーティメンバーもいる。
彼ら彼女らは、冒険者だ。
ライルの関係者の中では比較的自由な立場だが、なんだかんだでライルに忠誠を誓っている。
「ルーシー、俺たちも食べようか」
「おう! あたい、ライル様と一緒に食べれて幸せだ!!」
「俺もだよ」
2人は見つめ合い、笑い合う。
披露宴の喧騒は、まだまだ収まる気配がなかった。
そんな中、ライルとルーシーの前に2人組が姿を見せる。
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