S級スキル【竜化】持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放されるが、覚醒し竜王に見初められる。今さら戻れと言われてももう遅い。お前たちは、俺たちの属国として面倒を見てやるよ

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

97話 お前が黙っていればいいのだ

公開日時: 2022年9月22日(木) 10:15
文字数:1,137

 俺はスピカを責めすぎて、ダウンさせてしまった。

 そろそろ商館を出たいのだが、さすがにこのまま放置するのはマズいだろう。

 S級スキル竜化を得て人格が変容しつつある俺でも、それぐらいの常識は持っている。

 いや、正確に言えば、そういった常識は先日かろうじて取り戻したところだが。

 俺は廊下に出て、商館に務めているメイドを探す。


「誰かいないか?」


「はい。御用ですか? ――――ッ!?」


「水を持ってきてほしい」


「か、かしこまりました」


 メイドは顔を赤らめつつ、立ち去っていった。

 水を取りに行ったのだろう。

 少し様子がおかしかったが、何かあったのだろうか?

 俺は応接室に戻り、メイドが戻ってくるのを待つ。


「お、お待たせいたしました。――って、ええっ!? ス、スピカお嬢様!?」


「…………ひぐぅ……」


 メイドの眼前には、俺に”開発”され尽くしたスピカの姿があった。

 おっと。

 そう言えば、あまり大っぴらにすることでもなかったか?


「こ、これはライル殿が?」


 メイドが責めるような目で俺の目を見る。

 かと思えば、すぐに視線を落とし、今度は潤んだ目で俺の下半身を見つめてきた。

 一体どうしたというのか。

 よく分からない女だな。


「……って、ああ……。服を脱いだままだったか」


 S級スキル竜化を持つ俺は、外的刺激や気温の変化にとても強くなった。

 それ自体はいいことなのだが、こうしてよく服を着忘れる。

 機能面だけで言えば、もはや俺に服や防具などは一切不要なのだがな。

 社会常識としては必要だろう。

 それぐらいの常識は俺にもまだ残っている。


「ああ、そうだ。俺がやった。文句でもあるのか?」


 俺はソファに座りながら答える。


「お、お嬢様にこのような無体なことを……。頭取様がご覧になればなんとお怒りになるでしょう。まさか、こんなことになるとは……」


「頭取を怒らせれば大変なことに?」


「もちろんです! もし、スピカお嬢様に手を出したと知れたら、ただではすみませんよ!」


「それは怖いな」


 俺は小さく笑う。

 確かに、普通の人族の感覚で言えば、スピカは手を出しにくい存在だろうな。

 この商会はそこそこの規模だし。


「問題ない。お前が黙っていればいいのだ」


「私にそのような権限はありません。全てを正確に頭取へ報告するだけ――むぐっ!?」


 俺はメイドの髪を掴む。

 そして、その口の中にモノを入れた。


「もう一度言おう。お前が黙っていればいいのだ」


「あぁ……。うぅ……」


 メイドが何かを言おうとしているが、口に入れられたものが邪魔をして言葉にならないようだ。


「立場をわからせてやろう。その後は、ちゃんとこの部屋を掃除して、スピカに水でも飲ませてやるんだぞ」


「んー。んんんんっ……」


 こうして俺は、メイドの口内を蹂躙し、さらには肉体をも蹂躙した。

 そして、無事に商館を後にしたのだった。

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