S級スキル【竜化】持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放されるが、覚醒し竜王に見初められる。今さら戻れと言われてももう遅い。お前たちは、俺たちの属国として面倒を見てやるよ

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

134話 地下室へ繋がる厳重な扉

公開日時: 2022年12月17日(土) 06:20
文字数:638

 スラムにある違法奴隷商の拠点を捜査中だ。

 1階と2階をチンピラごと俺の火魔法で焼却し、さらには突然現れたネクロマンサーをぶち殺したところである。


「さて。改めて捜査を再開するか。残るは地下だけだが……期待できそうかな?」


 違法奴隷は、なるべく見つからないところに保管するのがセオリーだ。

 地上階にはいなかったし、地下にいる可能性は高いように思えた。


「ここだな」


 俺は地下へ向かう階段を下りていく。

 すると、そこには――


「ふん。ずいぶんと厳重な扉だな……」


 頑丈そうな鉄の扉があった。

 スラムの地下室には似つかわしくないほどの重厚な造りをしている。

 おそらくは、それなりの魔道具を使用して作ったのだろう。


「この先に違法奴隷商が隠れている可能性は高いな」


 期待を込めて、鉄製の扉を押すが……。


「うーん……。開かないな。結構良い性能をしてやがる」


 S級スキル竜化を持つ俺は、人間形態でもそれなりに強い。

 竜化時に比べると1割以下の身体能力といったところだが、それでもそこらの冒険者や不法者なんぞ相手にもならないことは実証済みである。

 しかしそんな俺であっても、この扉を開けることができない。


「ならば開けなければいいだけだ。所詮は鉄製。高熱に弱いはず」


 俺は火魔法を発動し、両手で炎の弾を生み出す。


「ふっ。これで終わりだ」


 俺は勝利の笑みを浮かべ、扉に炎弾を放つ。

 たが、そこで予想外のことが起きた。

 ボコォ……!


「ぬっ!?」


 俺が生み出した炎がかき消されたのだ。

 どうやら、魔法を吸収し無力化する機能を持っているらしい。

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