「……最近のライル様は、やり過ぎなんです……」
「民衆が繁栄してこそ、国が安定し、商売もうまくいきます。今のライル様のやり方では……」
元冒険者ギルド職員のアイシャ、商会長の娘スピカまでもが苦言を呈する。
これで5人の反逆者だ。
「おい、ロゼリア。こいつらを皆殺しにしろ」
俺は近衛騎士団団長ロゼリアの名前を呼ぶ。
彼女とは俺が幼少の頃からの付き合いだ。
忠誠心は折り紙つきだし、実力も申し分ない。
そのはずだったのだが――
「……私は貴方様の指示には従えません」
「はぁ?」
ロゼリアの言葉に、俺は首を傾げる。
そんな俺の反応に構わず、彼女までもが剣を構えた。
馬鹿な……。
何が起きているというのだ?
「……まぁいい。ならば、ミルカとサテラだ。お前らは俺の言いなりだろ? 俺の平穏――いや、愛する子どもを含めた家庭の平穏のため、反逆者を皆殺しにしろ」
俺は近くにいた2人の少女に命令する。
村娘ミルカと山娘サテラだ。
彼女たちはそれぞれ、俺の子を生んでいる。
忠誠心とはまた違うだろうが、彼女たちが俺を裏切るはずがない。
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