「あん? 確かに、アタイはシャオだが?」
「金だけで動く冒険者のお前が、どうしてここにいるんだよ……! 俺たちに味方するなら、今からでも間に合うぞ……!!」
「くっくっく。アタイが金だけで動くって? 間違いとも言い切れねぇが、正確さに欠ける発言だねぇ……!」
シャオは剣を構える。
そして、不敵な笑みを浮かべて言った。
「アタイがこっちの味方をしている理由は……」
「理由は?」
「――死にたくねぇからさ」
ザシュッ!
目にも止まらぬ速度で踏み込んだシャオが、敵の首をかき切った。
「――金なんて、命あっての物種だからなぁ!!」
「「「ひいいぃ!!」」」
戦場に悲鳴が上がる。
リリア、レスティ、アイシャ、ミルカ。
キーネとその仲間、サテラ、スピカ、シャオ。
圧倒的な力で蹂躙される仲間たちを見て、連合軍の足は完全に止まった。
……うん。
流石だな。
みんな、よくやってくれてる。
これで俺は、有象無象の羽虫を気にしないで済む。
「さて、俺たちも決着をつけようぜ? ガルド」
「クソがぁ……! よそ見して余裕かましてんじゃねえぞ!! ぶっ殺してやる!!!」
俺とガルドは、お互いに向かって突っ込んでいく。
さぁ……。
S級スキル【竜化】とA級スキル【剣聖】のどちらが上か。
そして、第一王子ライルと第二王子ガルドのどちらが上か。
ここでハッキリさせようじゃないか。
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