「……そうだな。それがどうしたっていうんだ?」
「こやつは良い実験体になるのではないか? そこらのザコでは、少しの調合ミスですぐに死んでしまう。じゃが、人族の中ではマシなこやつを生かしておけば、多少の副作用や失敗があっても問題なかろう?」
「……確かにな」
俺はガルドに視線を落とした。
股間部からの出血と激痛に苦しんでいる様子だが、死んではいない。
これほど実験体として便利な奴もいないか。
「わかった。ならさっそく、試作品をぶっかけて試してみよう」
エリクサーを作るには『紅血の水晶石』が足りない。
だが、『白銀の大牙』を含め他の素材は概ね集まっている。
そこで俺は、エリクサー作りに向けて試作品を作っていたのだ。
「ほら、プレゼントだ。多少の回復効果はあろうだろう。ま、どんな副作用があるかわからんが……」
俺はポーション瓶に入った液体をガルドにぶっかける。
すると――
「ぐぁっ……!? な、なんだ……っ! 体が、熱い……!?」
「ほう? もう意識を取り戻したか。後は、副作用さえなければ上出来なんだがな」
「はぁ、はぁ……! あ、ああああっ! ぐおおおおおぉっ!?」
ガルドがもがき苦しみ始める。
やはり副作用が出てしまったな。
「……まぁ、想定の範囲内だな。連合軍は追い払ったことだし、ガルドの経過を観察しつつ今後の方針でも決めるとするか」
苦しむガルドを眺めつつ、俺はそう呟いたのだった。
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