「今のルーシーは強い。肉体だけじゃなく……心もな」
「うん……。いろいろあったからな。今となってはみんな……いい思い出さ」
「だよな、だよな? なら、俺は無罪放免ってことで……」
「お前が言うな!」
「あたいは、あんたに強姦されたことは忘れないぜ!」
ガルドの言葉にライルとルーシーが怒る。
そんな3人を見て、バリオスは苦笑した。
「愚息は……ベッドの上ではポンコツらしいな」
「は? クソ親父、何か言ったか?」
「お前の腰使いが甘いから、我が義理の娘は過去を忘れられないのではないのか?」
「な……!?」
「お、おい! あたいは別に不満なんかないぞ!」
バリオスの言葉に、ライルが絶句する。
そして、ルーシーは慌てて弁解した。
そんな2人に構わず、バリオスが続ける。
「どうだ? 余はこれでも、ベッド上での技術には自信がある。愛する妻も、よく褒めてくれたものなのだが」
バリオスがそう言って、前後に腰を振る。
祝いの席の酒で、酔っ払っているらしい。
最低な言動である。
彼の腰使いを見て、ライルとルーシーは顔を引きつらせた。
「な、なんつー下品な……。親の夜事情なんて知りたくもねぇんだよ!」
「我が義理の娘よ。ライルのアレが不満なら、余が満足させてやってもいいぞ?」
「黙れっ! セクハラ親父が! 一応はライル様の父親だから尊重してたけど……もう我慢ならねぇ!!」
「くくっ。遠慮するな、我が義理の娘よ。余はそっちの方でもまだまだ現役――ぶへらっ!?」
バリオスが吹き飛ぶ。
ルーシーが蹴り飛ばしたのだ。
「あたいはライル様一筋なんだよ! てめぇとなんて嫌に決まってんだろ!!」
「ぐふっ……。我が義理の娘が冷たい……」
「自業自得だ、クソ親父」
ルーシーの蹴りを喰らい、バリオスが吹き飛んだ。
ライルが冷たい目で見る。
「ま、まあ……とにかくだ。俺たちはみんなで力を合わせて、聖竜帝国とブリケード王国を繁栄させていく。それが俺たちの使命だ。そうだろ?」
ガルドがその場をまとめる。
多少の波乱はありつつも、その後は穏やかな時間が流れていく。
そして、ライルとルーシーの披露宴は無事に幕を閉じたのだった。
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