S級スキル【竜化】持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放されるが、覚醒し竜王に見初められる。今さら戻れと言われてももう遅い。お前たちは、俺たちの属国として面倒を見てやるよ

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

297話 披露宴-5

公開日時: 2024年7月10日(水) 11:45
文字数:863

「今のルーシーは強い。肉体だけじゃなく……心もな」


「うん……。いろいろあったからな。今となってはみんな……いい思い出さ」


「だよな、だよな? なら、俺は無罪放免ってことで……」


「お前が言うな!」


「あたいは、あんたに強姦されたことは忘れないぜ!」


 ガルドの言葉にライルとルーシーが怒る。

 そんな3人を見て、バリオスは苦笑した。


「愚息は……ベッドの上ではポンコツらしいな」


「は? クソ親父、何か言ったか?」


「お前の腰使いが甘いから、我が義理の娘は過去を忘れられないのではないのか?」


「な……!?」


「お、おい! あたいは別に不満なんかないぞ!」


 バリオスの言葉に、ライルが絶句する。

 そして、ルーシーは慌てて弁解した。

 そんな2人に構わず、バリオスが続ける。


「どうだ? 余はこれでも、ベッド上での技術には自信がある。愛する妻も、よく褒めてくれたものなのだが」


 バリオスがそう言って、前後に腰を振る。

 祝いの席の酒で、酔っ払っているらしい。

 最低な言動である。

 彼の腰使いを見て、ライルとルーシーは顔を引きつらせた。


「な、なんつー下品な……。親の夜事情なんて知りたくもねぇんだよ!」


「我が義理の娘よ。ライルのアレが不満なら、余が満足させてやってもいいぞ?」


「黙れっ! セクハラ親父が! 一応はライル様の父親だから尊重してたけど……もう我慢ならねぇ!!」


「くくっ。遠慮するな、我が義理の娘よ。余はそっちの方でもまだまだ現役――ぶへらっ!?」


 バリオスが吹き飛ぶ。

 ルーシーが蹴り飛ばしたのだ。


「あたいはライル様一筋なんだよ! てめぇとなんて嫌に決まってんだろ!!」


「ぐふっ……。我が義理の娘が冷たい……」


「自業自得だ、クソ親父」


 ルーシーの蹴りを喰らい、バリオスが吹き飛んだ。

 ライルが冷たい目で見る。


「ま、まあ……とにかくだ。俺たちはみんなで力を合わせて、聖竜帝国とブリケード王国を繁栄させていく。それが俺たちの使命だ。そうだろ?」


 ガルドがその場をまとめる。

 多少の波乱はありつつも、その後は穏やかな時間が流れていく。

 そして、ライルとルーシーの披露宴は無事に幕を閉じたのだった。

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