S級スキル【竜化】持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放されるが、覚醒し竜王に見初められる。今さら戻れと言われてももう遅い。お前たちは、俺たちの属国として面倒を見てやるよ

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

256話 反逆者-1

公開日時: 2024年2月17日(土) 11:20
文字数:371

「……これはいったい、何の真似だ? 全軍指揮官レスティよ」


 俺はそう告げる。

 王座に座る俺の前で、レスティが剣を構えていた。


「ご主人には、王座から降りてもらう。もう限界なんだ……」


「ふむ? お前の目的は王座か。そんな野望があったとはな」


 俺は感心する。

 彼女は紅猫族であり、強さを至上とする民族だ。

 だが、それはあくまでも個人単位での戦闘における強さだ。

 集団のトップになることを重視はしていなかったはず。


「……いいえ、違います。これは私たちの総意です」


「みんなで相談したのさ。ライル様を止めるってな」


 冒険者のキーネとシャオが、そう付け足す。

 彼女たちもレスティの側にいた。

 油断なく武器を構え、俺を睨んでいる。


「どうしてだ?」


 俺は首を捻る。

 これでも、こいつらのことは評価していた。

 俺が与えた竜の加護により強化された彼女たちは、とても便利な駒として使えるからだ。

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