S級スキル【竜化】持ちの俺、トカゲと間違われて実家を追放されるが、覚醒し竜王に見初められる。今さら戻れと言われてももう遅い。お前たちは、俺たちの属国として面倒を見てやるよ

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
猪木洋平@【コミカライズ連載中】

244話 ルーシーの容態-3

公開日時: 2024年1月6日(土) 17:23
文字数:562

「……ガルド、奉仕はもういいぞ」


 しばらく考えた後、俺はガルドに言う。

 彼女はホッとした様子で顔を上げた。


「あ、ありがとう……お兄ちゃん……」


「お前を処刑するのは保留だ。とりあえず、お前が完全に俺の支配下にあることをルーシーに見せることにしよう。彼女の反応次第で、お前の処遇を考える」


 これぐらいが現状の落とし所だろう。

 ガルドを去勢した上で奴隷にしていることは、既に伝えている。

 だが、目の前でその様子を見せたわけではない。

 ガルドが俺の支配下にあることを実感できれば、ルーシーの体調も安定する可能性がある。

 彼女がガルドを恐れたり嫌ったりする様子を見せれば、改めてガルドの処刑を前向きに検討すればいい。


「お、おう……」


 ガルドは頷く。

 俺は立ち上がった。


「来い」


「あ、ああ……」


 ガルドを連れて玉座の間を出る。

 そして、ルーシーが休んでいる寝室に向かった。


「ルーシー、入るぞ」


 俺は寝室のドアをノックして言う。

 すると、中から声が聞こえてきた。


「う、うん……」


 俺たちは部屋に入る。

 ルーシーはベッドに腰掛けていた。

 顔色が悪く、憔悴しているように見えるが、とりあえず生きていることに俺は安堵する。

 俺はガルドに視線を向けた。


「ルーシー、こいつが誰か分かるか?」


「……っ!」


 彼女はビクッと肩を揺らすと、怯えた視線をガルドに向ける。

 俺は苦笑しながら続けた。

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