数か月後――
とある辺境の村で、一組の夫婦が誕生しようとしていた。
「新郎新婦の入場です! 皆様、盛大な拍手でお迎えください!!」
司会が叫ぶと、村中が大きな歓声に包まれる。
その中心には、幸せそうな男女がいた。
「ライル様……。あたい、今幸せだよ」
「俺もだ。ルーシー、愛してるよ……」
ライルとルーシーが見つめ合う。
今日は彼らの結婚式だ。
聖竜帝国全体を挙げての盛大な式典をする案もあったが、ライルとルーシーはそれを却下した。
思い出の場所で、慎ましやかに式を挙げたい……。
2人のその思いを汲んだ配下たちが、この辺境の村で結婚式を執り行うことになったのだ。
「では、新郎ライル。あなたは妻となるルーシーを、病めるときも健やかなるときも……富めるときも貧しきときも、夫として愛し敬い慈しむことを誓いますか?」
「誓うよ。ルーシーのことを、一生愛し続けると誓おう」
「では、新婦ルーシー。あなたは夫となるライルを、病めるときも健やかなるときも……富めるときも貧しきときも、妻として愛し敬い慈しむことを誓いますか?」
「誓うさ。あたいはライル様を、一生愛すると誓う」
ライルとルーシーは見つめ合う。
そして、自然と口づけを交わした。
「皆様、新郎ライルと新婦ルーシーに盛大な拍手をお願いいたします!!」
2人は拍手に包まれる。
こうして、ライルとルーシーは夫婦となったのだった。
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