「ははは! やはり人族は弱いな! 卑怯な戦法さえなければ何もできねぇ!」
「く、くそぉ……」
勝者はレスティだった。
まぁ、希少種族として元々高い戦闘能力を持っていたところに、俺の竜の加護が加わったのだ。
山村の門番ごときが勝てる道理はない。
門番を撃破した今、俺たちが入村する障害は何もなかった。
俺は堂々と村の中へと向かう。
しかし――
「一体何の騒ぎだ!」
村の中から、老齢の男が姿を現した。
男は杖を突いており、足腰は弱っていそうだった。
「そ、村長!」
門番が老人を見て叫ぶ。
「こいつらが勝手に入ってきやがったんです。何とかしてください」
「むっ、侵入者か……。って、貴方様は……!!」
老人が俺の顔を見た瞬間、目を見開く。
「おお……。おぉ……!! なんと……なんということだ……!!」
「村長、あの連中を知っているのですか?」
門番の男が不審げに問いかける。
だが、老人は答えず、俺に駆け寄ってきた。
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