ライルのS級スキル【竜化】が暴走してしまった。
だが、彼の仲間たちは果敢に立ち向かう。
サテラ、スピカ、アイシャ、ミルカ、キーネ、レスティが攻撃を仕掛けていた。
「グルオオォッ!!」
ライルは咆哮し、爪を振り下ろす。
だが――
「隙ありだ!」
シャオが動き、ライルの懐に潜り込む。
彼女の脳内には、ライルとの思い出がよぎっていた。
『その……まずはアタイの首と体を繋げてもらえませんか……? このままでは何もできませんので……』
『何もできないと言ったか?』
『え? は、はい……。首だけでできることと言えば、こうして話すことぐらいで……』
『違うな。他にもできることがある。さぁ、その状態で俺の”猛り”を鎮めてみろ』
『なっ!? ま、まさか……』
『できないなら、死ね。俺がこの魔法を切れば、お前はすぐにでも死ぬんだぞ。さぁ、頑張ってみせろ』
『うぅ……! わ、分かりました……』
――あの出来事は、まさに鬼畜の所業だった。
首を切断された上、特殊な魔法で命を繋ぎ止められ、奉仕を強要されたのである。
シャオは脳内によぎった思い出を振り払うと、ライルの懐で剣を振り上げた。
「せめて勝ち馬には乗らせろよな! 竜化暴走のままなんて、許さねぇぞ!!」
シャオが叫ぶ。
その隣では、ロゼリアが攻撃の準備をしていた。
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