奴隷の首輪を1人に装着した。
残るは、男女1人ずつである。
「それで、お前らはどうするんだ? 大人しく奴隷になるのか?」
「ぐっ! そんなこと、受け入れられるかよ! 徹底的に抵抗してやるぜ!!」
「はっ、そうかい。それでこそ楽しめるってもんだ。まぁ、お前らが奴隷になるのは確定しているわけだが」
「できるもんならやってみせ……ッ」
ドガッ!
俺は男の言葉を遮るかのように、思いっきり蹴飛ばした。
「がはぁ!? ……て、てめぇ、何しやが――」
ゴッ!!
さらに顔を殴りつける。
もちろん、手加減はしている。
だが、それでも相当なダメージになったようだ。
男はその場に倒れ伏す。
「何をするかだって? 決まっている。実験だよ」
俺は男の体を持ち上げる。
そして、男の足を地面に突き刺すように下ろした。
「な、なにしやが……がふぅ!?」
ドスッ、ガスッ、ガツゥン!!!
何度も、足を突き下ろす。
その度に、骨が砕ける嫌な音が響いていた。
「どうだ? 気分は」
「がはっ、げほっ、げぼぉ!?」
「おい、答えられないなら質問を変えるぞ。気持ちいいか?」
「ぎもぢよぐないぃ~!」
「じゃあ、痛いか?」
「いだい、いだいでず、ゆるじで、もうやべでぐだざい……!」
「よし、ちゃんと答えられたな。合格だ」
俺は最後に一度大きく突き刺す。
これで、男は肩あたりまでが地面に刺さった状態となった。
人間杭といったところだな。
自力での脱出は不可能だろう。
「ほら、これを付けてみろ」
「ぎ、ぎいいぃっ!!??」
俺が奴隷の首輪を付けてやると、男から悲鳴が上がった。
魔力量は抑えているので、まだ奴隷契約は結ばれていない。
「ふうむ。やはり、本人の意識が覚醒した状態で、俺からの魔力量を抑えれば、お前ら程度でもレジストはできるんだな」
さっきの女1人だけで結論付けるのは早計だった。
2人分のデータを得られたので、とりあえずは良しとしよう。
(……いや、厳密に言えばさっきの女よりもこっちの男の方が存在の”格”が上なのか?)
こいつは痛めつけられた状態からでも、なおレジストを続けている。
無傷状態からでもひぃひぃ言っていた女とは大違いだ。
さすがは、パーティリーダーといったところか。
「よし、実験を次の段階に進めよう」
ここまでの実験結果を整理しておく。
俺が人間ハンマーとして使用した男は、意識を失った状態からそこそこの魔力量で奴隷となった。
さっきの女は、意識が覚醒した無傷の状態から微量の魔力にはレジストして、その後のそこそこの魔力には屈服した。
そしてリーダー格の男は、意識は覚醒しているがボコボコの状態から、微量の魔力にはレジストしている。
(魔力量を増やせば間違いなく屈服させられるだろうが……。それでは、前の実験結果を再確認するだけになってしまうしなぁ……)
ここは、他のアプローチを考えてみるか。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!