俺の仲間や配下たちは、ブリケード王国とナタール連邦の連合軍を圧倒している。
竜王リリアはもちろん強いし、竜の加護を得たレスティやサテラたちも一般兵ごときよりも遥かに強い。
これで俺は、心置きなく敵軍の大将と向き合えるというものだ。
「ライル! あの時の続きを始めようぜ!!」
「はいはい」
1年前より随分と強くなったみたいだが……。
それでも、俺には及ばないだろう。
あのときの俺は、覚醒したばかりの力を振り回しただけだった。
しかし、今の俺はS級スキル【竜化】を高い練度で使いこなすことができる。
「いくぜっ! オラァ!!」
ガルドが突進してくる。
相変わらず速い。
まぁ、俺ほどではないのだが。
「【竜爪】」
俺は右手に竜の力を宿し、そのまま振り下ろす。
「がはっ!!」
竜の加護をフルに活用した一撃だ。
生半可な防御では防げない。
ガルドは吹き飛び、地面に叩きつけられる。
「ぐぅ……!」
「なんだ? ただ殴っただけなのにもうダウンか?」
「ば、バカな……! なぜA級スキル【剣聖】を持つ俺が、たった一撃でこうなるんだ……!!」
「スキルの差だ。たかがA級スキルごときで、俺をどうにかできると思ってるのか?」
「くそぉっ!! 生意気だぞ! 無能のライルのくせに!!!」
ガルドが剣を構え、再度突撃してきた。
A級スキル【剣聖】の速度に身を任せた攻撃だ。
正に一撃必殺といった感じの攻撃を放ってくる。
しかし、それを見ても特に焦りはなかった。
――やはり、大したことはなさそうだな……。
俺は【竜鱗】を発動させる。
その瞬間、ガルドの剣が弾かれた。
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