「グルルルゥッ!?」
ライルが地面に横たわりながら、驚愕の声を上げる。
彼は何が起きたのか、すぐに理解できなかったのだ。
そんなライルの目の前では、ルーシーが拳を掲げていた。
「あたいの中のみんなと相談した結果だ。ライル様……あたいはあんたを止めるよ」
「グルルル……! グオオォッ!!!」
ライルは咆哮する。
彼にとって、ルーシーは最愛の存在だ。
そのはずだった。
しかし、竜化して暴走している彼は、彼女すら認識することができていない。
今の彼にとって、ルーシーは排除すべき敵だった。
「グルオォッ……!!」
ライルが息を大きく吸い込む。
ブレス攻撃で、ルーシーを焼き尽くそうというのだ。
だが、その姿は無防備だった。
今こそ、反撃のチャンスである。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!