「あ……あれ……? あ、あたいは……?」
「ルーシー!!」
「ひゃっ!?」
俺はルーシーを抱きしめる。
彼女は目を白黒させた。
「な、何!? どうしたんだよ? ライル様……」
「良かった……。本当に良かった……」
俺はルーシーの肩口に顔を埋める。
涙が止まらなかった。
もう、二度と彼女と話せないと思っていたのだ。
こうして触れ合うことができる幸せを噛みしめる。
「ルーシー……。もう絶対に離さない……」
「あ、あのー……ライル様……」
ルーシーが戸惑ったように言う。
「あたい……どういう状況なんだ?」
俺は顔を上げた。
彼女は長い間、死亡状態にあった。
リリアの氷魔法によって亡骸を保全していたとはいえ、記憶が混濁しているのも無理はない。
俺はこれまでの経緯を彼女に説明した。
「そっか……。あたいはガルド王子に強姦された上、殺されて……」
ルーシーの表情が曇る。
俺は彼女をそっと抱きしめた。
「もう大丈夫だ。何も心配は要らない」
「でも……あたいの体は汚されちまった……」
「そんなの関係ない。それに、元凶は去勢した上、奴隷にしている」
「き、去勢!? それに奴隷だって!?」
ルーシーが驚く。
俺は頷いた。
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