「グルル……」
ライルは咆哮する。
そして、爪を振り下ろそうとするが――
「シリカ、アルノー、ジョナサン……。使わせてもらうぜ」
ルーシーが力を開放する。
ライルによって竜の加護を半強制的に与えられた彼女は、そこらの一般兵などよりもはるかに多くの魔力を持っている。
だが、今はそれだけでは説明できないような、膨大な魔力が迸っていた。
「グルオォッ!?」
ライルが爪を振り下ろす。
だが、その攻撃はルーシーに届かない。
「あたいの中のみんなと……もう相談は済んでいるんだ。ライル様の暴走を、あたいたちの力で止めてみせる!! くらえっ!!!」
「グオオオオオォッ!?」
ルーシーが凄まじい勢いでライルに接近し、拳を振りかぶる。
その攻撃はライルの肉体に届き、彼を大きく弾き飛ばしたのだった。
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